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第一章 食い違いだらけの教科書
寛文1年 ? 1661年?? 仙台城本丸西館
「曇りなき 心の月を 先だてて 浮世の闇を 照してぞ行く 」
どこかで聞いたな?
他の誰でもない。
俺が呟いたみたいだ。
確か伊達政宗の最後の言葉だっけ?
ええと右目が見えなくて、独眼竜と言われていた人物がいたんだ。
うん?
右目が見えない気がする。
何ていうか?
何かが巻かれているんだ。
今日は朝寝坊確実だろう。
昨日は夜遅くまでゲームセンターで遊んで……?
その後の記憶は?!
「政宗様。起きて下さいまし!」
俺の記憶力は凄く悪いが、今度のは最悪だー!
「だー! 何も思い出せん!」
「政宗さまー!」
「政宗さまーー!」
俺は布団から飛び起きて、廊下を頭を抱えて突っ走っていた。
無理だ。
昨日の夜のことが、どうしても思い出せない。
後ろから可愛いお姫様と厳つい顔の重臣と思わしき人たちが追ってくる。みんな時代劇から飛び出してきたかのような服装の人たちだった。
俺も必死だ。だが、向こうも必死だった。
「よお、風ノ助くん。朝から元気だね」
「あ、楠田先生! おはようございます!」
廊下の突き当たりにある。金色の松を模した襖を開けたのは担任の楠田先生だ。




