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プロローグは短めに
人が死ぬ話が大嫌いだった。
作者の思想の表現、あるいはその人の嗜虐性を満たすため
そんな理由で後味の悪い想いをしなくちゃいけないのが苦痛でたまらなかった。
駄作に彩りを与えるために、人が死んでいく
死ぬ直前に泣き叫ぶ登場人物を見るたびに思ってしまう
みっともない
死にゆく刹那に死神を見た。
宝石のように光を反射する瞳で、無機質な、どこか冷たいようなまなざしでボクを見ていた。
穴の開いた腹と口から血を流し、吸っても吸っても苦しさが抜けないまま、なぜか逃げる気にも生き残る気にもなれないまま…女神を眺めている。
「ふ、ふふ…こういう終わり方かぁ」
死神はボクを無機質に見つめる。
もはや死体の仲間同然のボクに、壁に寄りかかって、なんとか地に伏すまいとあがくボクに、
しゃがみ込んで目線を合わせてくれた。
「綺麗だ…」
うわごとのように呟いた。
「…!」
わぁ…そんなふうに驚いた顔をするんだね。
美しい、天使みたいだ。
あれ……何か言ってるみたい…でも、あぁヤバイ
意識が飛んできちゃった…死ぬ?あ…死ぬわ……これ
まぁエピローグにしては短すぎる…くらい…か……な…
「違う、これはプロローグよ」




