28.ヴァルキュリア式バルクアップトレーニングのすすめ
ヴァルキュリア式・総合鍛錬体系
――「強さは愛のために、愛は強さのために」――
王国公認筆頭トレーナー・グレンと、その魂の伴侶ナツメ。二人が数々の苦難と「世界を越えた再会」を経て完成させた、究極のボディメイク&マインドセット。
主要な種目と、その背後にある「解剖学的・精神的真理」を、二人の掛け合いと共に詳説する。
Ⅰ.基礎哲学:ナツメとグレンの理論
「鍛錬とは、単に筋繊維を肥大させる作業ではない。己の限界を破壊し、愛する者を守り抜くための『城壁』を築くことだ。そのためには出力が不可欠だ」
ナツメ:「でも、城壁も土台が脆ければ崩れてしまいます。私の理論は連動。呼吸とインナーマッスルを使って、筋肉が持つ本来の力を100%引き出す『回路』を作ることです」
Ⅱ.主要トレーニング種目
1. 【基礎の確立】
● 腹圧(IAP)トレーニング ―― 全てはここから始まる
ターゲット: 腹横筋、横隔膜、骨盤底筋群
グレン:「腹に空気を詰めろ! 腹圧が抜けた瞬間、腰椎は砕けると思え」
ナツメ:「お腹をただ膨らませるんじゃなくて、360度外側に押し広げるイメージです。これができないと、どんな重い剣も振れません。呼吸は命の源です」
自重スクワット ―― 身体の「根」を張る
ターゲット: 大腿四頭筋、大臀筋、中臀筋
ナツメ:「膝が内側に入ると、膝蓋骨を痛めますよ。足の指先でしっかり床を掴んで(アーチ形成)、重心は踵の少し前です」
グレン:「尻を突き出せ! 椅子に座るのではなく、大地のエネルギーを奪い取るつもりで沈め!」
2. 【進化と葛藤】
● デッドリフト ―― 守護者の背中
ターゲット: 脊柱起立筋、広背筋、ハムストリングス
グレン:「背中で引くな、と言ったはずだ。広背筋は『固定』に使う。バーベル(剣)が体から離れた瞬間、物理的なテコで腰が死ぬ。広背筋でバーを体に引き寄せ続けろ」
ナツメ:「ヒップヒンジ(股関節の折り畳み)が肝心です。背中を丸めるのは『逃げ』。お尻を後ろに引くことで、裏側の筋肉を最大限に伸ばして爆発させます」
ランジ(ウォーキング・ランジ) ―― 不安定を克服する
ターゲット: 内転筋、中臀筋、大腿筋膜張筋
ナツメ:「片脚立ちになる瞬間、体幹の真価が問われます。第2章で私が苦労した種目です。揺れる身体を、腹圧で一本の棒にするんです」
グレン:「重心を真下に落とせ。前脚の膝がつま先より前に出すぎるな。不安定な戦場で、常に次の一歩を踏み出せる準備を整えるのだ」
3. 【再起と覚悟】
プランク&デッドバグ ―― 現代と異世界を結ぶ「軸」
ターゲット: 腹直筋深部、腸腰筋
ナツメ:「現実世界に戻った私が、風真くんに教えた種目でもあります。手足を動かしても腰を反らせない。この『耐える力』こそが、日常の姿勢を美しくします」
グレン:「耐えるだけでは足りん。プランク中も全身を固め、誰に体当たりされても微動だにしない『鎧』をイメージしろ」
● ブルガリアンスクワット ―― 限界の先へ
ターゲット: 大臀筋上部、大腿四頭筋
ナツメ:「片脚をベンチに乗せることで、より深くお尻に負荷をかけます。これはキツい……でも、第3章の最後、私がグレンさんの元へ戻る決意をした時にやっていた、覚悟の種目です」
グレン:「片脚になれば逃げ場はない。己の体重すべてを片方の脚で受け止め、這い上がる。その精神的な強さが、筋肉の密度を上げるのだ」
Ⅲ.ナツメ流・リカバリー術:整えるまでが修行
ナツメ:「第3章のエピローグでも触れましたが、硬すぎる筋肉は折れやすい。特に以下の3点は必須です」
胸郭のモビリティ
「巻き肩は呼吸を浅くします。胸を開き、酸素を全身に届けましょう」
股関節の動的ストレッチ
「スクワットの深さは股関節の柔らかさで決まります。詰まりを取りましょう」
マインドフル・レスト
「ただ寝るのではなく、頑張った自分の筋肉に『ありがとう』と伝えること。これが回復を早めます」
グレン:「ヴァルキュリア式とは、独りで強くなるためのものではない。隣に立つ者に、背中を預けるための強さを手に入れる術だ」
ナツメ:「剛のグレンさんと、柔の私。二人の想いが合わさって、このトレーニングは完成しました。皆さんも、自分の身体を愛し、隣にいる人を守るために、今日も一回、多く上げましょう」
グレン:「……よく言った。では、解説は終わりだ。ナツメ、次はスクワット20回、3セット。……逃げるなよ?」
ナツメ:「……っ、はい! 一緒に、行きましょう!」
ナツメとグレンの物語は完結しました。
明日からは、新しいトレーニングが始まります。
よろしくお願いいたします。




