ホワイトデー
さよならではない今日の日に
僕はありったけの小さな勇気を詰め込んで
震える手でその扉を叩いた
君の声が響くたび心に波が広がる
白いリボンに包んだ感謝と
不器用に紡いだ想いを忍ばせて
君に届けたい
この胸の中の小さな炎を
それが君にとって微笑む理由になるならば
頭に浮かぶのは君の笑顔で
足取りはぎこちなく
胸の鼓動は早まる
そんな僕を君は笑うかもしれないけど
いいんだ
君の喜ぶ顔を想像して選んだ花束は
少し控えめで
でも君に似合うと信じて
「ありがとう」がこの気持ちに足りるのか
それでも
これ以上の言葉を僕は持たないから
君の指がそっと花びらに触れるとき
扉を叩いたことも忘れていた
その瞬間がこの世界に光をもたらす
何度も想い描いたこの場面で
僕はただ
君が幸せであることを祈るだけ