モリス7歳:村でクマさんに出会う。花咲く
7歳になりました。
日々母の手伝いで服やら網やらチクチクチクチク。
そんなんで2年経ちました。
どんなに訳のわからない《天職》でもできることをしなければならない、村の世知辛さなのよね。
「おーい!!」
外から父の声。
「行商人のクマさんが面白いもの持ってきたぞ」
この村に月1で行商人が回っくる。領の補助金ありとはいえ、助かるが行商人のクマさんとはなんだろう?
「はじめまして、行商人のガバラです。今月からバイゼン領の公認行商人になりました。どうぞよろしく」
確かにクマさんだ。クマの獣人だから体も大きいし、 体も毛でふさふさだ。抱きつきたい。
「抱きつくなよ」
父に釘を刺された。
何故わかった!?
「顔に書いてある」
げに!?
「で、ガバラさん。例の物を娘に見せて貰えませんか?」
「いいですよ。服屋の姉が余った布で作ったものですが……」
でてきたのは布でできた熊の人形だった。
「ぬいぐるみと言います。10年ほど前から都市部では作られていたのですが村には持ってこないようなものでしたから皆さんが知らないのも仕方ありません」
おーーーーー
フィーバー!!!!
「落ち着きなさい」
母に窘められた。テヘッ。
「次それやったら舌引っこ抜くわよ」
恐ろしや!!
母よ、自分が似合わない歳だからってそれねーよ。
「覚えておきなさい?」
なんもいうーとらんよ!?
母、エスパー。