衝撃の事実を明かされた
迷路のような道 3歳児の身体だと視界が低いから周りが大きく見えるし、1歩が小さいからかなり体力を消耗する
とりあえず、目に入った扉を次々と開けていく
ここじゃない…ここでもない…ここも違う…
もうヘトヘトだ もしかしてこのまま屋敷の中で野垂れ死ぬのか!?と死を覚悟したとき
壁伝いに歩いていたら玄関と思われるどデカい扉を見つけた
気分転換に外の空気でも吸おう…
なんということでしょう 今までの扉とは違い重すぎる!
私の体重じゃ開けることはできなそうだ
そこで力尽きた私は扉に寄りかかり意識が飛んだ
目が覚めると朝になっていた
鳥のさえずりが心地いい…
そういえば、昨日は玄関で力尽きてしまったけれど今は自室のベッドの上にいる
良かった〜誰かが気づいてくれたんだ!
その時、部屋に誰かが入ってきた
ノーノックってことはファンか!?と思ったが入ってきたのはアヤだった
「アヤー!おはよ〜」
ハッ!もしかして専属メイドであるアヤが自室に私がいないことを知り、探し回ってくれたのかも!?
それで力尽きていた私を救護してくれたのか!?
考えを巡らせていたら突然、アヤが私に抱きついてきた
「えっ!?アヤ?どうしたのいきなり・・・」
予想外の展開にキョドっている私をみて涙をこぼした
え!私なにかした!?もしかして玄関からここまで運ぶのそんなに大変だったのかな!?なんかごめんね!?
「……心配したのですよ……」
アヤはボソッとそう呟いた
意識飛んだ3歳児なんて死にかけに見えるもんね〜
悪いことしちゃったな と思っていたら
「3日も寝たままだったんですから!もうこのまま…目を覚まさないのではないかと……」
え?私、そんなに寝てたの?ヤヴァーイ
そりゃ心配かけちゃうわ…
「ごめんねアヤ でももう大丈夫だよ!すごく元気になった!!ほら!」
ベッドの上に立ちガッツポーズをする
勇ましい姿を見せれば安心してもらえるかな!!
「何をしているんですか!先程おきたばかりなのでしょう!?安静にしていてください!!」
・・・・・怒られた・・・・・
それから数日はずっと自室で過ごした
アヤが付きっきりで看病してくれたからもう元気すぎてウズウズするくらいだ
1日に1回はファンやおじいちゃんが顔を出して話し相手になってくれたからそれほど退屈ではなかった
そしてついに…アヤの不安が取り除かれたのか、ベッドから起きてもいいことになった
その日は朝から部屋中を走り回っていた
心は18歳のはずなのに3歳児がするようなことをして楽しんでいる自分がちょっと怖い
少なからず、心も幼くなってる…?
走り終えて息を整えているとき、私は重要なことを思いだした
まだこの世界に来てから外に出てない!
そこでアヤに外に出たいという旨を伝えると、ファンに許可をもらってからと返された
なんで外に出るだけでファンの許可が必要なんだ?
アヤに聞いても 決まりなので としか答えてくれない
後で直接ファンに理由を聞きに行こうかな
お昼ご飯を食べ終えて食後の休憩中・・・
まだ食堂に私とファンが座ってたから、ここで聞くことにした
「ねぇ、どうして外に出るだけなのにファンからの許可が必要なの?」
ファンは俺のことはお父様と呼べ と言ったあとにこう答えた
「自覚がないのかもしれないけど、クロルは貴族なんだご令嬢。わかる?1人で外なんか出たら悪い奴に捕まっちゃうぞ〜」
外ではお父様と呼ぶというのはわかるが、貴族令嬢だから1人で外に出ちゃいけないっていうのはよくわからん・・・
他の3歳児の令嬢ならまだしも、私の心は18歳なのだ!
そしてケンカも強い!!
悪い奴が来たなら返り討ちにしてくれるわ!!
私の考えていることがバレたらしく、ファンはこう続ける
「クロルはまだ世界を渡ったばかりだ 世界を渡ると普通の人なら死ぬ。そのくらい身体に負担がかかる行為なんだ 故にこの前、疲れただけで3日も爆睡したろう?」
んぐっ……
「でも、3日も爆睡したんだから身体は回復したんじゃないの?」
「確かに回復はしたけど完全じゃない。クロルはケンカ強いから大丈夫とか思ってるかもしれないけど、3歳児の身体だしまだ完全体じゃないから思うように身体を操れないよ」
本当か?試しに椅子から下りてハイキックをしてみる
っと、前の世界では難なくできていたはずなのに全くできなかった
足は上がらないし体幹がまるでない
失態に驚いているとファンがこう言った
「完全体になれば前みたいにビュンビュン動けるようになるよ」
「その完全体になるまでどのくらいかかるの?」
ファンは顎に手を当てて考え込む
長く考えた末、出た結論がこれだ
「わからない☆」
個人差があるから一概にこれくらい とは言えないらしい
……私以外にもこっちの世界に連れてこられた人っているんだなー と思った
それからまた何日か経った
することが無いということに変わりがない私は昼寝をしていた
それを見兼ねたアヤがファンに相談し、とあるお茶会に招かれることになった
なんでも、私と同い年の子が集まる貴族のお茶会だそうだ
正直、めんどくさーーい
少しでも面白い!と思っていただけたら評価お願いします!