答えなき問い6
次の日、魔名と共に出社した彼方。母はちゃっかり二人分のお弁当を用意してくれた。
会社のビルに入ると、ダンサー?見たいなゆったりとした大きめな黒のTシャツに、紺色のショートパンツを身に付けた少女が出迎えてくれた。
Tシャツには【NoDanceNoLife】と文字がプリントされていている。
ダンス好きだなこの人と思いながら、彼方は「おはようございます」と挨拶をした。
「おはよー」
と挨拶を返した少女の名前は、西木倉揺木さん。歓迎会の時は、お酒を飲まずに苺ミルクサイダーを飲んでいた。
彼女の口癖は、【血糖値が足りない】である。
「んっ、一枚食べる?」
口角が微かに動いていると思ったら、パフェガムを噛んでいたのか!揺木さんは、ガムを僕らに差し出した。
何これ?と魔名はおっかなびっくりしていた。
「まあまあ、一枚どうぞ」
と、揺木は再度ガムを勧める。
魔名は、恐る恐るといった様子で、ガムに手を伸ばす。
その瞬間、パッチンと小さく音がなった。痛っ!と魔名から小さな悲鳴が上がる。
よもやパッチンガムとは、実物は初めて見た。しかし痛そうだ。
即座に臨戦態勢を取る魔名。しかし、それよりも早く揺木は魔名の肩に手を回す。
おおっと、落ち着いてっと揺木は魔名の肩をポンポンと叩く。
まさか!あの魔名から一瞬で背後を取るとは、この会社って小さな貧乏会社じゃなかったっけ?
「ゴメンゴメン、ただのイタズラだから。ほらお詫びにガムあげるから」
揺木はガムを一枚取り出し、魔名に手渡した。
魔名は訝しげにガムの包みを見る。そして少しずつガムの包みを開けると、一枚の細長い板のようなものが露になる。
なんだこれと、魔名は困惑する。揺木が噛んでいる様子を見て、勢いよく口にする。
「…甘い!?」
初めてガムを噛む。噛めば噛むほど味が出てくる。不思議な食べ物だ。
「あ、ガムから味がしなくなったら、ガムの包みに包んで捨ててね。飲み込んじゃダメだよ」
揺木は頷いてガムの味を楽しむ。どうやらパフェガムを気に入ったようだ。
じゃあ、そろそろ行こうかと、揺木は本題に入る。魔名は揺木の後に続く。
彼方君は持ち場に戻ってねっと言われ、新入社員研修に参加することになった。
新入社員研修では、まず記憶力と判断力のテストを行い。流れてくる数字の羅列から、指定された数字を見つける訓練や、暗算トレーニングを行った。
次に微細な色や音の違いを瞬時に見極める訓練など、時計などは設置されておらず、気づいたら昼休憩になっていた。




