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原初のヒーロー  作者: 七星北斗
修正前
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リバイス9

 日の丸正社員八十一名、従業員十二名。焼き肉屋を貸し切った。


 彼方は、日の丸という会社の奇妙なことを知った。それは、すべての正社員と従業員に役職があることにだ。


 石は【司令塔】、雨蘭の役職は【ボス】だった。


 歓迎会の席で、一目置かれていた人レイドラさんは【監視塔】らしい。


 そんな中、彼方へ人柄の良い男性から声がかかった。


 男性の名前はオリバーさん。黒人で背が高く親しみやすい。役職は【接客】らしい。確かにオリバーさんに相応しい役職だと思った。


 オリバーさんは、僕のコップが空になると、炭酸ジュースを追加注文してくれる。非常に申し訳ない気分になった。


 彼方の隣で、光莉と万利は、競うように焼き肉を食べていた。しかしこの二人はぶれないな。少し羨ましく感じる。


「これ美味しいよ」


 オリバーさんは、サッとちょうど良い焼き加減の肉を、彼方の皿に取り分けてくれる。


 会話もそこそこに、僕はモグモグとお肉を咀嚼する。うん、普通に旨い。


「美味しいです」


 オリバーさんは、彼方の言葉にニッコリと笑った。んっ?粟井ちゃんが、僕の袖を引っ張ってくる!どうしたんだろう?


「うぅー、彼方お兄さん、ピーマン苦手なのです。食べてほしいのです」


「ピーマンも食べれないとは、とんだお子ちゃまですね」


 そうだそうだと、光莉に合わせて、万利も掩護射撃をする。


「彼方、甘やかしちゃ駄目だよ」


 万利は厳しい口調で彼方に注意する。


 二人の指摘はごもっともだ。粟井ちゃんが将来偏食になっては困る。


 そんな彼方の思考は、目の前に向けられた箸によって途切れる。粟井ちゃんは、あーんと、ピーマンを彼方の口元に持ってくる。


 しかし、彼方は首を横に振った。粟井ちゃんの表情に動揺が浮かんだ。


「えっ!彼方お兄さん食べてくれないのです?」


 ぐすんと下から彼方の顔を覗き込む。


 今にも泣き出しそうな顔に、ウッと彼方はたじろいた。


 万利と光莉は、視線で食うなよ、食うなよ、と圧を送ってくる。


 食べちゃ駄目だ。食べちゃ駄目だ。食べたら粟井ちゃんのためにならない。


 粟井ちゃんは、うわーん、びぇーんと泣き出し、彼方は動揺する。


 そんな彼方たちを他所に、日の丸幹部たちは、焼き肉とビールで出来上がる。


 今年も元気な新入社員が入ってきて、喜ばしい限りですな。新入社員をジーッと横目に見る。


 石山健冶(いしやまけんじ)は日本酒を片手にサガリを口にする。うめー、焼き肉に酒最高。こっそり注文した裏メニューその三のザブトンをコソコソ食べる。


 ‥あ、ナナシノさんこっちをジッと見てる。気づかれたか。大事に育てていたザブトンを二枚奪取された。ショボーン。

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