リバイス5
短い通話時間、彼方が眠そうに待っていたら、相堂さんはフゥーと息をつく。
「これは大変失礼致しました」
相堂さんが深々と頭を下げる。
そして鍵をガチャっと開けた。
「貴方は確かに新入社員だったようですね。本当に申し訳御座いません」
彼方はその言葉に安心すると、表情を緩めた。
「わかっていただけたようで嬉しいです」
「それでは、他の新入社員を待たせてはいけないので急ぎましょう」
個室から出てから相堂さんに付いて行く、ビルの六階までエレベーターで上がると、このビルには不釣り合いなほど大きな扉まで案内される。
「えっ!?」
その扉を開くと、影月、光莉、万利、粟井ちゃんがいた。
何で四人がここにいるの?
「主君がここにくるとわかったからですよ」
「お久しぶりです、主様、会いたかったです」
「彼方が元気そうで良かった」
「彼方お兄さん」
四人はそれぞれの言葉で告げた。
そんな中、粟井ちゃんがむぎゅっと抱きついてくる。するとピキッと、三人の女子の間で亀裂が生まれた。
「ひぃっ!」
影月が小さな悲鳴を上げる。しかし彼方は気づくことなく、粟井ちゃんの頭を撫でる。火に油を注ぐとはこのこと。
「ちょっと彼方(怒)」
「主様(怒)」
「彼方お兄さん、あのお姉さんたち怖いのです」
「大丈夫だよ。光莉や万利は、とっても優しくて仲間思いだから」
「ホントなのですか?さっきからこっちを凄い顔で睨んでるのですが」
粟井ちゃんは、彼方に見えない位置で、女子二人にベーと舌を出す。
プチッ、何かが切れた音がした。
「彼方は私の相棒でしょ?」
「主様は私の主様でしょ?」
二人は同時に非難の言葉を述べ、互いにウーっと睨み合う。
もう二人は仲良くなったのか。仲良きことは美しいな。彼方は一人ウンウンと頷く。
その他の新入社員の五人は、遠巻きにこちらを見ていた。
「やっと新入社員が全員集まったか、おはよう」
そう言って社長の雨蘭は、広い部屋によく響く声で眠そうに挨拶をする。
他の新入社員よりも、彼方は遅れて、おはようございますと挨拶をする。
「今から契約内容を説明させてもらうぞ」
「よろしくお願いします」
「おうっ」
『まず、第一に君たちは三ヶ月の研修期間がある。三ヶ月の研修期間が終われば、正社員として扱う。
就業場所は不定期。
業務の内容はヒーロー活動及びに一般業務。
始業・終業時間は不定期。
残業あり。
休憩時間、休日、休暇は不定期。休日出勤あり。
賃金は研修期間の間は月二十四万円が平均、支払方法は銀行振込み。給料は月末締め翌月二十五日払い。
賞与、昇給、退職ボーナスあり。
以上』




