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原初のヒーロー  作者: 七星北斗
修正前
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光陰流水10

 その日は、懐かしい夢を見た。


 迷子になった僕の手を、優しく握ってくれた人。


 大きな背中で、とても安心感があった。


 彼方は目が覚めると、少し腰が痛かった。


 どうやら寝藁が足りなかったようだ。


 テントから出ると、万利は彼方より先に起きていて、万利のテントはレインコートに早変わりしていた。


「おはよう彼方、眠れた?」


「おはよう、万利さん。まあまあかな?」


 彼方の発言に、万利は頬を膨らませて、膨れっ面をする。


「彼方さ…私のことは、呼び捨てで呼んでよ。今は…パートナーなんだからさ」


「…ホントに呼び捨てで呼んでいいの?」


 女子を呼び捨てで呼ぶのは、少し照れくさい。


「うん、良いよ。彼方は特別なんだから」


「わかったよ…万利」


 万利は、名前を呼ばれると、ほわわんといった表情をする。


 僕達は昨日のようなペースで、実技試験をクリアできるのだろうか?


 彼方は不安を感じる。


「今日はどうする?」


「そうだね。まずは朝御飯の調達かな。腹が減ってはナンとやらってね」


「了解」


 急いては事を仕損じる。そうだよな、焦っても仕方ないよな。


 気分を切り替えて、まずは朝御飯だ。


 彼方と万利は、昨日同様、木の実を中心に採取した。


 今日はラッキーなことに、まいたけやひらたけを見つけることができた。


 焼きキノコウマー、何も味付けしてないのに。


 お腹が満たされて、横になりたい気持ちを抑え、クエスト探しに行かねばならぬ。


「じゃあ、クエスト探しに行こっか?」


「うん」


 彼方は頷くと、重い腰を上げた。


 万利の足は、昨日の食料調達の時に見つけた薬草のおかげで、すっかり調子良いようだ。


「万利、足痛くない?」


「うん、もう大丈夫そう」


「なら良かった」


「心配してくれて、ありがと」


 万利は満面の笑顔で、はにかんだ。


 何だか今日は、いいことがありそうだ。何となくだけど、そんな気がした。


 そんな矢先、僕は落とし穴にハマった…不幸の前触れだろうか?


 万利は、しゃがんで手を伸ばす。


 彼方が万利の方を向くと、万利の足の隙間から、パンツがモロに見えてしまった。


 リボン付きの黒と白のストライプ柄の下着。


 どうやら万利は、下着が見えていることに気づいていないようだ。


 彼方は下着から目を逸らして、見ないように万利の手を掴む。


「ん、彼方どうかした?」


 彼方は顔を赤くしながら、目線を逸らす。


「なんでもない」


「変な彼方だね」


 万利はクエスチョンマークのような疑問符を感じながらも、特に彼方の方を気にした様子もなかった。


 万利の助けを借りながら、彼方は落とし穴から何とか抜け出した。

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