リアル8
午前七時、集合場所である全知全能の本部へと、受験生達は集まっていた。
僕を含め、みんなの服装は、手ぶらで動きやすいジャージの長袖長ズボン、ただ三人を除けばであるが。
古日根はいつにも増して、ヒラヒラのゴスロリファッションだった。
だが、古日根に負けず劣らず、ロックな服装をしたボーイッシュなオレンジ髪の少女。
この少女の見た目は、まだ中学生くらいの風貌だ。
最後の一人は分析屋の檜垣万利、どういうわけかレインコートを身に付けている。
三人は見た目のインパクトの強さから、まさに注目の的だ。
予定されていた時間の十分前に、試験の監督官が現れる。
受験生が全員集まっていることを確認した監督官は、時間より早く、試験の説明を始めた。
監督官の話によると、これから持ち物検査をして、検査が終わった受験生一人一人に水筒と時計を配布するようだ。
持ち物検査は問題なく通過した彼方。
しかし隣では、万利が女性のスタッフにボディーチェックを受けているのだが、レインコートのポケットから、次々に秘密道具が現れていた。
万里はレインコートの下にも、秘密道具を隠し持っている可能性が高いので、空き部屋を使って調査するとのこと。
滞りなく、持ち物検査、水筒と時計の配布は終わり、今からバスで富士山の麓へ。
「はーい、それではみなさん、順番にバスに乗車してくださいね」
二十四名の受験生達はバスに乗り込んだ。
全員の乗車を確認した監督官が、最後にバスに乗り込み、バスの運転手に出発の合図をする。
彼方は窓側の席に座っている。彼方の隣の席には万利が腰を下ろし、彼方を注意深く観察していた。
うぅー、気まずい。何で僕は万里からじっと見られているんだ?
凄い真剣で、純粋な目だ。万里は、彼方を物凄く凝視する。目がちょっと怖いよ(汗)。
足立には遠くから睨まれているし、僕が悪くない筈なのに。
「どうして万里さんは、僕を見つめていらっしゃるのでしょうか?」
彼方はあまりの圧に耐えきれず、万里へ問いかけた。
彼方から視線を離さず、万里は普通のことのように答える。
「失礼、目測で体のサイズを測っているのです」
彼方の中で、疑問が更なる疑問へと変わった瞬間だった。
「どうして僕の体のサイズを測っているの?」
万里は顎に手を当て、可愛らしく、ふむっと考え始めた。
僕の疑問って、そんなに考え込む程のものだったのかな?
それに足立は、さっきからずっと僕に殺気を放ってくるし。
だけど、ヒーローを目指す人達は、みんな個性的な人が多い気がする。




