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#7 自己紹介とネタバレ

ゼ「それではお願いします。ただ、あまり痛くしないで欲しいです・・」





チルド族のゼファーさんが怯えた小鹿のように潤んだ瞳でこちらに訴えかけてくる。





うっ・・ちょっとキュンっときてしまった


いやいやいや、見た目に騙されるな俺・・・


見た目は子供でも中身は60歳のおじいちゃんなんだぞ・・?


深呼吸しろ俺よ・・・






『すぅーはぁーすぅーはぁー・・・ はい、宜しくお願いします、ゼファーさん。それでは腕をめくって頂いてもいいでしょうか?』





ゼ「えっ?首から吸うんじゃないんですか?」





『首とか歯が刺さったら絶対痛いじゃないですか。腕も痛くないわけではないと思いますが・・腕で大丈夫ですよ』





ゼ「わ、わかりました。それじゃぁ・・・どうぞ」





『失礼しますね。いただきます』






カプリッ








ゼ「あっ・・!」







やめんかぃその声の出し方!!


どっから出してんだよ!!


というか俺60歳のおじいちゃんの血を吸って何ドキドキしてんだよ・・・


レオンとクリスがこっちを見て赤くなってる。


いや、そういうプレイじゃねぇからこれ!!





血を吸いながら横目でゼファーさんを見ると、服を噛んで少し涙目になって耐えている。


女子力高すぎだろゼファーさん・・・









『・・・終わりましたよ。血、ごちそうさまでしたゼファーさん』




ゼ「あっもう終わっちゃったんですか・・?そうですか・・」






何を残念がっとるねん・・・


ちょっと変な趣味に目覚めそうだからこれ以上はもう突っ込まんぞ・・







『ゴ、ゴホン。それではそちらの女の子、リディアさんでしたよね?鮮血魔法を使いますので少しだけ離れていて下さい』






ゼファーさんから頂いた約1,000mlの血液を鮮血魔法の”輸血”に変えていく。



まだ若干俺も貧血気味だけど、今はこの女の子に血を分け与える事が先決!



血がマリモ玉みたいな球体になり、リディアさんの傷口に吸い込まれるようにゆっくり入っていく。



っっとと・・結構クラクラするな・・あともう少しだから頑張れ俺。



血が全て無くなり、リディアさんの身体に入っていった。







『っふぅー・・”輸血”完了です。リディアさん、気分はいかがですか?』






俺が声をかけるとリディアさんの瞼がゆっくり開いていく。





リ「ぅん・・・?ここは・・・?」



レクゼ「「「 リディアっ!!! 」」」




レオン君とゼファーさんは笑顔でリディアさんに大丈夫か?と声をかけ


クリスさんは泣きじゃくりながらリディアさんに抱き着いている。





『良かった。なんとか助けれてほんと良かったよ』





今この瞬間だけは、ヴァンパイアに生まれ変わって良かったと心から思えるよ。


サンキューなデウスのじいさん。




そう思い、安心したら急にめまいがしてきた。


あぁ、ちょっと貧血状態で鮮血魔法を使ったからスタミナ切れかな・・?






4人が俺の異常に気付き、駆け寄ろうとしてくれる所で俺は意識がシャットダウンした。








~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~








「・・・ぶ?・・オン」


「・・・・だ・・ねぇよ」


「ぁ・・を覚ました・・!」


「ヴァンパイアさん!ヴァンパイアさん!!」






『ゥン・・ココハ・・?』






リディアさんと同じセリフを言ってる気がする。


いや、少し違うような気がせんでもないぞ? なんでだろう?


目が覚めると4人が俺を見つめていた。






レ「やっと起きたか!流石に妹を助けてもらった恩人を死なせるとか、兄としてそれは許さねぇからな!」



ク「ほんとよね!私の親友を助けてくれたお礼を言わずにバイバイはナシだよ!」



リ「ヴァンパイアさん!命を救って頂いた事をみんなから聞かせて頂きました!本当にありがとうございます!!」



ゼ「こらこらみんな。ヴァンパイアさんも疲れてるんだから少し音量を落として落として」








『・・・つかぬ事をお聞きしますが、なにゆえゼファーさんは俺を膝枕に・・・?』






ゼ「えっ? 恩人さんをダンジョンの固い床に頭を置くのはしのびないと思って・・」








もう1回確認するが、60歳のおじいちゃんなんだよな・・?


何顔を赤くして微笑んでるんだよ・・・


俺のケツは無事か・・・?


とりあえず起きよう・・ゼファーさんがなんか怖いわ






『ありがとうございます。もう大丈夫ですよ! 身体も軽くなったし・・?あれ口の周りに血がついてる・・?』




レ「あぁ、それは俺の血だ!リディアを助けてもらった後、アンタが急に倒れたからよ!もしかして血が足りてないのかと思ってな。アンタも人が良すぎるぜ、ゼファーから吸い取った血液をほとんどリディアに分け与えたんじゃないのか?」




そう言って爽やかな笑顔のレオンさんは鼻にティッシュのようなものを詰めている。



鼻血・・?もちろんあれだよな?俺に血を飲ませてくれた後に鼻血が出たんだよな・・?



まぁもう気にしないでおこう・・気持ち悪くなっちゃう・・







『はは・・ありがとうございますレオンさん。えっと、皆さん。改めて自己紹介をさせて頂いてもよろしいでしょうか?』





レ「おうよ! じゃぁまずは俺からだ! 俺はこのパーティーのアタッカー兼タンカーのレオンだ!そこにいるリディアの兄貴でクリスとは幼馴染なんだ。ゼファーはうちの婆ちゃんの6人目の旦那さんだ!俺らが小さい時はじいちゃんって呼んでたんだぜ」




婆ちゃん何があった?


最初見た時は仲間想いって感想だったけど、そっか~そこに加えて家族思いの良いパーティーだね。


レオンはミディアムショートの金髪でいかにもイケメンって感じだな。どれ鑑定させてもらおっと。




【名前:レオン 】

【年齢:19歳 】

【種族:ヒューマン 】

【ランク:シルバー 】

【クラス:ファイター 】

【レベル:25 】

【戦闘力:7,700 】

【能力値:筋力E 体力D 魔力I 敏捷H 技量G 耐性G 特殊H 幸運F 】

【スキル:剣術 体術 盾防御 】

【装備:ブロードソード バックラー チェインメイル一式】




ほぇ~俺とはまた違ったステータスだな。


【ランク】は冒険者のランクかな?


【クラス】もファイターで表示されてる。冒険者になったら適用されるって推測であってそうだな。


ただ、レベルは断然レオンの方が高いのに、全体的な能力や戦闘力は俺の方が上なのはなんでだ?


これも色々調べるか教えてもらうしかないな。





ク「次はあたしだね!いやぁ~知らない人としゃべっときは敬語でしゃべらんといかんと思ったけど、別にもうよかよね! あたしの名前はクリス!レオンとは幼馴染でリディアはあたしの一番の親友!ゼファーは世話焼きのオジサンって感じだったけど、今はパーティーリーダーだよ!」




・・博多弁?いや微妙に違うような・・この世界の人達はほとんどボケ役なのか?


クリスはミディアムロングの赤髪の活発そうな女の子だな。ちょっと鑑定させてね。




【名前:クリス 】

【年齢:17歳 】

【種族:ビーストヒューマン 】

【ランク:シルバー 】

【クラス:ローグ 】

【レベル:21 】

【戦闘力:4,550 】

【能力値:筋力H 体力G 魔力H 敏捷E 技量F 耐性H 特殊G 幸運D 】

【スキル:索敵 二刀短剣術 罠解除 宝箱解除 アイテム作成 】

【装備:バゼラード ククリ レザーアーマー 一式】




スキルが豊富だな~!幸運に関してはDって・・羨ましい


あとビーストヒューマンだったんだ!


髪の毛で隠れて見えないけど、ケモノミミは是非後で見させてもらおう!





ゼ「僕の番ですね。本当にこの度は家族を助けて頂きありがとうございました。改めまして、パーティーリーダーのゼファーです。宜しくお願いします」




ゼファーはツーブロックのキッズヘアーだけど、顔は可愛いと綺麗を半々にしたようなハーフ顔だな。とゆうか見つめすぎ・・・何か俺の気になるもんがあるのか? とりあえず鑑定っと。




【名前:ゼファー 】

【年齢:59歳 】

【種族:チルド 】

【ランク:シルバー 】

【クラス:クレリック 】

【レベル:37 】

【戦闘力:6,800 】

【能力値:筋力H 体力H 魔力E 敏捷E 技量E 耐性F 特殊E 幸運E 】

【スキル:回復魔法 補助魔法 】

【装備:アイアンスピアー ウッドシールド レザーベスト一式 】




回復職の見本って感じだな。バランスの良い能力に装備は中距離支援ってとこか。レベルも一番高いからまさにリーダーだな!




リ「最後は私ですね!リディアです!私の家族、友人、そして私自身を救って下さり本当にありがとうございます!兄は短気な所があり、クリスもうっかりさんでゼファーおじさんも歳なので心配でしたが、ヴァンパイアさんが入って下さって凄く安心しました!宜しくお願いします!」





リディアは金髪ロングの少しおっとりしてると思ったら、意外と天然なのかもしれん。俺いつパーティーに参入になったんだろ? いやまぁ、俺は嬉しいけどさ! ちょっと失礼するね。




【名前:リディア 】

【年齢:15歳 】

【種族:ヒューマン 】

【ランク:シルバー 】

【クラス:エレメンタルメイジ 】

【レベル:30 】

【戦闘力:12,300 】

【能力値:筋力I 体力I 魔力B 敏捷H 技量H 耐性G 特殊D 幸運D 】

【スキル:精霊魔法 水魔法 風魔法 】

【装備:マジックロッド ウールローブ一式 】




へっ?兄貴より強くね?いや、パーティーの誰よりも強いぞこの子?


それに精霊魔法って・・魔力に関しては俺と同じBだ。


全体的な能力も高めだし、この子一体・・?





レ「俺も安心だよ・・なんせリディアは好戦的すぎる!もう少し兄貴を安心させてくれ!オークジェネラルをギリギリ倒せたから良かったものの、お前は致命傷を負うわオークの大群が追いかけてくるわで大変だったんだぞ!!」






ゼファーが一番ヤバい奴かと思ったが、リディアがトップかもしれんな。


きっと戦闘民族の生まれ変わりなんだろう・・・









『皆さんご丁寧な自己紹介ありがとうございます。最後は俺ですね。名前は”レオニード”です!! 種族はヴァンパイアロードで最近別の世界から転生しちゃったもので。あっ転生した理由は創造神デウスってハゲにクシャミで命のロウソクを消されたんですよ。いや~大変でした テヘっ☆』








レクゼ「「「・・・・」」」








あ、あれっ?なんか空気がおかしいぞ?


みんなボケ役ばっかりでツッコむ暇がなかったから俺もボケたのに。


な、なんかすげぇ見られてるんだが・・・






リ「ぷっ・・!あはははは!やだもぉ、名前が5文字以上になるのは貴族だけじゃないですか!れ・お・に・ー・ど!5文字になっちゃうから、4文字でレオニーさんでしょ!? あはは!もう面白い人ですねレオニーさん!」








レクゼ「「「 いや、ツッコむ所そこじゃねぇよ  」」」







ほっ・・!なんとか受けて良かった。イマイチ笑うポイントが分からんが。


てかやっぱリディアは他の人とは違うな・・・


俺の名前を当てやがった・・隠し鑑定スキルでも持ってるのか?




俺がリディアの潜在能力を疑ってると、







レ「ヴァンパイアロードって言ったぞ・・?伝説の存在じゃなかったのか・・?」




ク「転生って言ったわよ・・?昔の絵本にそんな英雄譚の本があった気がするけど・・架空の話じゃなかったの・・?」




ゼ「とんでもない神の名が出た気がしますが・・? 創造神デウス様と言えば全知全能、すべての神をまとめ上げる最高神ですよ・・?」






リディアを除く3人が唖然とした顔で何か言っている。





まぁヴァンパイアロードって言っても属性:不死って詐欺まがいなのもあるし、転生もしたくてしたんじゃなくて、クシャミで命を消されたようなもんだからな・・最高神とか言ってるけどただのハゲたじいさんだよ?





そんなに驚く事か?と思ってる俺と驚きのあまり言葉をなくしてる3人と、1人爆笑してるリディアの笑いが収まるまで、みんな無言だった。

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