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#3 命名と初戦闘

創造神デウスのじいさんと念話を終えた後、自分の身体は朝日を浴びると消滅してしまう事に気付いたので、太陽が沈むまで棺桶のような箱の中でジッと待っていた。

体積が狭い分、匂いも籠る。待っていたとゆうより自分の体臭で気絶していた のほうが正しいだろう。




『...ゥ ゲッホゲホ!! ハァハァハァ....生まれ変わった初日に自分の匂いに耐え切れず死んだら短編集どころか4コマ漫画あたりで終わってしまうな..』



誰に話しているか分からない独り言を呟きながら、日が沈んだのを見計らって棺桶から飛び出した。

紫色の煙みたいな煙も出てきて、これが腐敗臭なのかな?とゆうかスキルの腐敗臭ってパッシブスキル(常に発動)してるじゃねぇか...




『あ、そうだ。さっきステータス画面を見た時に足りてない部分があったな』


ステータス画面を出す為、心臓部分をトントンと2回叩く。






【名前:    】

【年齢:15歳】

【種族:ヴァンパイアロード】

【属性:不死】

【クラス:   】

【レベル:1】

【戦闘力:30,000 】

【能力値:筋力D 体力E 魔力B 敏捷G 技量F 耐性F 特殊B 幸運なし 】

【スキル:吸血 腐敗臭 自己再生 鮮血魔法 鑑定】

【特殊スキル:神頼み1日1回 】

【血液貯蓄量: からっぽ  】



『出た出た。そういえば俺生まれたてだから名前がないんだよな』



生まれ変わったばかりでも年齢が15歳になってるのは創造神がヴァンパイアは少し特殊な生まれ方だから、この世界の成人年齢の15歳にしてもらった。確かにもし赤ん坊で生まれてすぐにあの匂いを嗅いだら、3秒であの世に逝ってたかもしれない。

ここまで来ると転生とゆうより転移になるのかな?




『クラス: ってのはなんだろう?冒険者にでもなったら剣士とか魔法使いとか出るのかな?』




この世界に来て分かってる事は自分がヴァンパイアになった事、ダンジョンや魔法がある世界だという事、太陽の光に浴びると消滅してしまう事、めちゃくちゃ自分が臭い事。

情報が全然足りてないから、サクッとこの廃城を探索して外に出よう...

1人旅はずっとしてきたけど、周りに知らない人達とはいえ、人が居るから寂しさなんてなかった。

今はただ人に会って話がしたい。じいさんとはしばらく喋りたくない。




『っと。名前だ名前。えっと、自分の名前を自分で決めるってのもなんか変な感じだな』



子掲示板のようなステータス画面の名前の所を触ってみたら拡大された!



『【名前:   】 おお!入力できそう! 自分の名前か~ちょっとぐらいカッコいい名前にしたいな...』



前世の時はハッキリ言ってそんなにカッコいい名前ではなかった。タクヤとかカイトとか名前と顔が一致するようなイケメンに対し、俺はジャガイモみたいな名前とイモのような顔をしてたな...

と、まぁ一致してたっちゃ一致してたなと自分で納得しながら、ヴァンパイアになった自分の名前を決める。




『なんて名前にするかな。ドラキュラとかカーミラじゃまんま過ぎるしなぁ。ゼクスとか! いや、中二病みたいだしそんなイケメンな名前絶対似合わないのと何より仮面持ってないし』



とある連邦の白い〇魔シリーズのキャラを思い浮かべていた。




『ロドリゲスとか!  いや、胸毛が濃そうな名前だな。』


『ヴィンセントとか!  いや、あんなイケメンになれる自信はガチでない..』


『オズワルド! ディ〇ニーに訴えられそう...』






30分ぐらいかけて考えついたのは...







『レオニードにしよう!昔持ってたスーパーファミコンのRPGゲームにそんな名前のヴァンパイアいたし、カッコいいし!』





スク〇二さん、ありがとう!もらうね!





『【名前:    】おし!じゃぁ入力しちゃいますか!れ・お~にーどっと...』






【入力完了。【名前:レオニー】で確定しました。名前の変更は出来ませんのでご了承下さい】






『ドが入ってないよ!? えっ!?名前確定って変更できないの!?とゆうかこのシステムメッセージ鬼畜すぎだろ!いやいや、それより4文字までしか入れれないとかドラ〇エかよ!!』





まさかの展開に1人で電子掲示板に向かってクレーマーと化す俺

スク〇ニのバカヤロー!...いや、別に某社が悪いわけじゃないけどさ...

なんちゅうシステムだよ。じいさん最初に説明してくれよ...






【名前:レオニー】

【年齢:15歳】

【種族:ヴァンパイアロード】

【属性:不死】

【クラス:   】

【レベル:1】

【戦闘力:30,000 】

【能力値:筋力D 体力E 魔力B 敏捷G 技量F 耐性F 特殊B 幸運なし 】

【スキル:吸血 腐敗臭 自己再生 鮮血魔法 鑑定】

【特殊スキル:神頼み1日1回 】

【血液貯蓄量: からっぽ  】




『しっかり名前がついてるな...なんか女の子みたいな名前になっちまった汗』





明日神頼みスキル使ってみようかな...

とりあえず名前は決まった。あとはこの廃城の探索をしてみよう。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~






廃城は思ってた以上に広かった。

俺が目覚めた部屋は教会のような場所だった。今思えば調度品の中に十字架みたいなのあったな。

全然効かなかったけど。


廊下は横一列に並んで歩いても7,8人は余裕だろうなと思える広さになっている。

窓が割れてたり、あちこち虫の住処にもなっているからボロボロなのは違いないけど

めちゃくちゃリアルなお化け屋敷を歩いている感覚で少し冒険心が刺激された。


殆ど何もなく進んでる事に関しては良かったような少し物足りなさもあるような。

途中でカーテンのようなシーツが落ちていたので、下着代わりに腰に巻いた。

今にして思えば、黒いマントの下は裸で廃城をさまよう俺ってどんな変態だよ...


歩き回る事、約1時間程して




『おっ!立派な扉だ。ここはもしかして謁見の間ってやつかな?王様や王妃様が座ってるお城の顔のような部屋。あれ玉座の間だっけ?覚えてないや』



ここに来るまでにほぼ廃城の全体を回り切ったと思う。

多分ここが最後の部屋だな。

ってゆうか俺の部屋じゃね?ヴァンパイアロードなんだから。


扉は少し重いけど、錆びた音をギギギッと鳴らしながら開いた。

すると...





『なんかおる...』





王様が座るであろう椅子の所にバカデカい犬みたいなのがおる...

あれがこの世界の魔物やモンスター?って奴なのかな?

あっ!そうだスキルの鑑定!





【種族:ヘルハウンド】

【属性:炎】

【レベル:35】

【戦闘力:????? 】

【スキル:火炎息 瞬足】

【弱点:???】

【特徴:地獄の番犬とも言われる魔物。火炎の息は全てを燃やし尽くすまで燃え続け、俊足は如何なる獲物も逃がさない。肉が大好物】





レベルたっけーーー!!

序盤で会う敵のレベルじゃないよ!?

こっちレベル1に対してレベル35ってイジメだろ...

特徴もえげつない事書いてる上に肉が大好物!?俺、(多分)腐った肉だから美味しくないよ!?

ってこっちに気付いた!?



「グルルルルルル....!!」



うっわー怒ってる。自分の縄張りに入ってきたから怒ってるんだろうな...

でもそこ俺の席のはずだよ...?

とゆうかあの犬みたいなの2M近くあるんじゃないか?大型犬も真っ青だな。




「ガァァァァーーーーー!!!」




なんて考えてるうちに突っ込んできた!!

やばい!!俺ガチの丸裸だよ!?

装備もなんもないのに!!



本気で死を覚悟した...!

せめてもう一度風呂に入ってから死にたかったよ...!




そう思いながら目を閉じてしまっていた。

けど一向に衝撃が来ない...?



恐る恐る目を開けると、犬が座ってた玉座の間からほんのちょっと動いたあたりで

ヘルハウンドは横に倒れて痙攣していた。




『えっ?何が起きた?』




ヴァンパイアロードなんて偉そうな種族になったものの、元はただの人間。

ゲームや漫画でしか見たことない怪物に襲われ、本当に死を覚悟したからこそ

今何が起こっているのか頭が追い付かない。




『あっ....もしかして俺の体臭...?』




犬は人間の一億倍もの嗅覚を持ってると言われている。

ただ、それなら俺が部屋に入る前に匂いに気付くんじゃ...?




『近づいて大丈夫かな...?噛まれたら狂犬病とかになりそうで怖い...』




ゆっくりヘルハウンドの倒れている方に近づくに連れ、痙攣していたヘルハウンドが泡を吹きながら動かなくなっていった。

倒したって事でいいのかな...?俺なんにもしてないけど...




あまりの臭さで逝ったヘルハウンドを見て、なんとも空しい勝利に喜んでいいのか悲しんでいいのやら...

でもなんであのヘルハウンドは俺が部屋に入った時は大丈夫だったんだろう?




ヘルハウンドの死体を横目に俺は玉座の方に歩いて行った。




『ん?玉座は随分綺麗だな。城全体は朽ち果てかけてるけど、やはり王が座るこの場所は特別なんだろう...綺麗な宝石のような物で宝飾されてるし、なんていうのかな。自分達は汚れても王は汚さない。そんな臣下だった人達の想いが伝わるなぁ...』




そんな気持ちになりながら玉座に近付くと気付いた。





『ん??』

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