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~プロローグ~ 急死?

旅は良い。

大学を卒業するまでに色々と仕事を経験し、貯金を貯めては一人旅で世界に足を運んでいた。

そんな俺ももう30歳を迎え、今は通信関係の営業マンだ。



20代は彼女も作らず、ひたすら旅行を楽しんでいた。いや、少し訂正しよう。彼女が出来なかった。

身長も決して低いわけでもなく、顔もさほど悪いわけではない。でも彼女は出来なかった。



答えは簡単だ。貯金は全額旅行代に使い、連休の初日は早朝から空港だ。


女性と遊ぶ事をほとんどしない上に、自覚のあった「平凡な自分」


ヤンキーがたまに良い事をするとキュンっとするような、普段は喧嘩ばかりしてるのにたまに見せてくれる優しさにキュンっとするような、そんなシチュエーションを一切起こせないような平凡さを持って生まれた俺だ。


旅先の夜の街を歩いていると、いかにも高級そうなスーツと絶対高いと思える腕時計をしている社長らしきぽっちゃりオジサンの腕に美女がガシッとくっ付いているのを見て





【俺も自分の会社(城)を持てれば少しはモテるのかな...】





カップル?を眺めながらそんな事を考えてると、スマホの電話が鳴る。



『よう!明日の朝には帰ってくるんだろ!? 夜はパーティー組んでダンジョン攻略いこうぜ!』



友人からゲームのお誘いだ。

一人旅が好きといってもある程度のまとまった連休じゃないと行けないし、普段の休日は友人とゲーム三昧の日々を過ごしている。





【こんな事ばっかりしてるからいつまでも彼女が出来ないんだよなぁ..】





そう思いつつも、


『ああ、明日の朝には帰るよ。家に帰ったら少し休憩してるか寝てるから、もし夜になってもログインしてなかったら電話で起こしてくれ』


わざわざ海外通話をしてまで誘ってくれる友人に少し笑みが零れながら


『おう!わかった!ちゃんと無事に帰ってこいよな!!』


何かフラグのようなセリフだなと思いつつ、友人との通話が終わり、今回の旅の時間もあと残り僅か。


もう少ししたら空港に戻ろう。そんな事を考えていたら






『グッッ......!!!』



胸が痛い!!



心臓が鷲掴みされているような痛みが走る!!






俺の両親は既に他界している。


どっちも死因は"心筋梗塞"で亡くなっている。


もしかして遺伝的なものなのだろうか。


不整脈で倒れた事はあるけど、こんな痛みはなかった。


視界が霞む中、周りの人達がうずくまってる俺に駆けつけてくれる。




「Are you okay !?」



「What's the matter !?」



「Is it stool ?」




意識が朦朧としているので、何を言っているのか分からないが心配してくれているのだろう...



あ、やばい...これは死ぬやつかもしれない...



会社の同僚、友人、既に他界した両親 もう顔も思い出せなくなりそうなぐらい意識が遠のいていき





【一回ぐらいモテたかったなぁ...自分の夢を叶えたかったなぁ...】





そんな事を思いながら、何故かティッシュを渡そうとしてくれる半笑いの人の顔がチラリと見えて俺の意識はシャットダウンした。








~~~~~~~~~~~~~~









「...じゃ ..きるんじゃ! 起きるんじゃ!!」



『...ん? あっ! やば! 遅刻する!!』



「寝ぼけてる場合じゃないぞぃ!!」




...あれ?手足の感覚がない。なんかふわふわ浮いてるような感覚がする。


とゆうかこの声は誰だ?




「おぉ!やっと意識が戻ってきおったか! ほんともうヒヤヒヤしたぞぃ!」



身体は動かないが、ぼやけてるが少しずつ視界が見えてくる。目しか動かない。あっ声が聞こえるって事は耳も大丈夫か。


意識がハッキリし出すとそこには、サンタさんみたいな髭を生やしたハゲのじいさんが居た。



「誰がハゲじゃ!! まだてっぺんに一本だけ残っとるわぃ!!」



どこのチ〇太だよ。いや、じいさんだから日曜日の代名詞アニメの波〇さんかな?




「おそ〇くんでもサザ〇さんでもないわぃ!! わしゃ創造神デウスじゃ」



『創造神デウス?このハゲのじいさんが?』



「さっきからお主、神様の中でも一番偉いワシにハゲハゲと繰り返し追って..ワシ、ハゲって言葉気にしとるのに..」



『いや、失礼。目が覚めたらアルシンドのお爺さんが起きろ!って声をかけてきたので少し混乱してるとゆうか、これは夢なのかな?と。周りはまるで宇宙のような光景が広がってるし』



「一緒じゃ!!つか古いわ!!..ったくもう、ええか お主はな、本来は死を司る死神が風邪で寝込んでしまいおって、仕方なく有給消化中の生命を司るワシがあやつの代わりに命のロウソクを消す作業をしていたんじゃ」



『命のロウソク?いや、それ以外にもツッコミたい事が山ほどありますが..』



「命のロウソクとはつまり寿命じゃな。担当の死神はお主が住んでた地球に生きてる命あるもの全ての死を管理していたのじゃ。人間、動物、虫、魚、植物 他の星と違って生命の数が凄まじい数じゃからの。ワシもこんなに増えるとは思わなかったわぃ!ふぉっふぉっふぉ」



『そりゃ死神さんも風邪で寝込みますね...それでどうして俺はこんな所に?』



「いやの..ワシも久しぶりに命のロウソクを消す作業をしていたからの。殺虫剤をかけられて死にかけていたゴキブリのロウソクを消そうとしたら、誤ってクシャミをしてしまっての。その勢いでお主の命のロウソクまで消えてしまったのじゃ。ふぉっふぉっふぉ!」



『ふぉっふぉっふぉ!っじゃねぇよ!そのバル〇ン星人みたいな笑い方もやめぃ! どうしてくれんだよ!まだ俺30歳なのにゴキブリと一緒の命日になって、しかもまだまだやりたい事いっぱいあったのに! 手をつないだり一緒のペアルック着たりあーんとかしてもらったり!!泣』



「い、いやまぁ落ち着くんじゃ。そんなに気にするでない。ふぉっふぉ『気にするわ!!』



「まぁ待て待て。じゃからこそ創造神のワシの出番なのじゃ。ワシのクシャミでお主を死なせてしまったからの。だからもう一度お主に人生をプレゼントしようと思うのじゃ!!」



『..もうツッコム気も起きないですが、生き返らせてくれるって事ですか?』



「いや、一度消してしまった命のロウソクは二度と火を灯す事が出来ないのじゃ。神々の仕事の中でもこの仕事が一番慎重にやらねばならんからの。死神もきちんとマスクをしてクシャミで消えないように作業をしてたのじゃ。」



『...じいさんマスクはしてなかったのか?』



「ヒゲが邪魔での」



『剃れよっ!!』



「ま、まぁそんなこんなでお主を生き返らせる事は出来ないが、新しい人生を与える事は出来るからの!汗 ただ同じ星に同じ魂を送ることは出来ないのじゃ。代わりに次の新しい人生のスタートラインは国のトップになれる事を約束するぞぃ!!」




『..いまいちピンと来ないのですが、つまり?』




「つまり”王族”からの生まれ変わりになるって事じゃ。国のトップの子供として生まれ変わり、ゆくゆくは自分が王様、城主になるって事じゃな。お主自分の城を持ちたいと思っていたじゃろ?」




『スケールデカすぎるわ!!』




「夢はデカい方がいいじゃろ?ふぉっふぉっふぉ。まぁ騙されたと思って生まれ変わってみるのじゃ。生まれ変わる種族は...あったあったこれじゃ」




『種族?人間に生まれ変わるのではないのですか?』




「生まれ変わる星は多種多様な種族が繁栄してる星じゃからな。今ワシが持ってる”リスト”の中から選んでくれぃ。この中の種族の王族から生まれるようにワシが手配しようぞ。さぁ選ぶのじゃ!!」




『いや、普通に人間でいいんですけどね...』




創造神デウスのクシャミで死んでしまった俺は、ツッコミ満載の中”リスト”を見る事にした。






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