2年生 春2
セルギウス寄りの三人称
エリザとセレナ少なめ
約束の時間になってもエリザベートが来ないことにセルギウスは焦っていた。
そんな、セルギウスに近づくように大量の足音が聞こえる。セルギウスは自身の魔法である隠密を使い足音の原因となった集団をやり過ごそうとした。
しかし、集団の姿を見てからセルギウスは一息ついて彼らの前に姿を現した。彼らと言うがゴーレムの大軍なのでこれらの方が正しいか。
ゴーレムのボスがセルギウスに手紙を渡す。どうやら、エリザベートからの手紙のようだ。
『ゴーレムの250体を貸してあげるわ。せいぜい感謝しなさい。私は、山頂の秘湯でゆっくりしてるので何かあったらゴーレムに連絡させなさい。覗いたら殺します』
「くそ、あの女ふざけんなよ」
とセルギウスは腹が立ち、手紙を破り捨てた。
しかし、これが見られたら困ると思い、ゴーレムに渡した。ゴーレムは、火を吐いて手紙を燃やした。ゴーレムは有能だ。
魔術教団、この組織は表向きには魔法を研究してると言われてるが、実際には孤児などを誘拐しておぞましい実験をしている。
そしてこの組織を潰すことがセルギウスの目的にも合致している。セルギウスの故郷である国は、平和を望んでるのだ、隣国であるこの国がセルギウスの国に戦争を仕掛けようとしていると噂が流れ、セルギウスはそれを防ぐために留学生として送られてきた。クーデターを仕組んだのも母国と戦争させないためである。
そして、魔術教団というのはエリザベートの調べによると戦争用の魔法を開発中とのことらしく戦争の被害を大きくさせないためにもエリザベートの命令を聞くのは癪だが、セルギウスの目的にも合致するのでゴーレムと共に乗り込んだ。
セルギウスは、隠密で忍び込む中、ゴーレム達は正面突破していく。
魔術教団の構成員は決して弱くはない。多くは、魔法学校を優秀な成績で卒業して家を継がない貴族の次男や三男が宮廷魔術師になった後に左遷された者ばかりでむしろ魔術師の中では強いと言われてる者も何人かいる。
しかし、現実は残酷だ。概念領域を利用した、エリザベートのゴーレムは一騎当千の強さを持ち、魔術教団の構成員は一体でも十分だが、2体揃えば確実に倒せるほどの強さをもつ。日本人が見てれば、ゴーレムTUEEEEとでも言いたくなるような強さだった。
最終的には2時間もかからぬうちに全員が捕まえることが出来た。
このゴーレム達の強さを見てセルギウスは、エリザベートと対立する事はやめようとおもった。
セルギウスが下山すると、ちょうどエリザベートに遭遇した。隣にはセレナも一緒だ。
「エリちゃん、肌スベスベだね」
「もう、セレナ。触りすぎよ」
「エリちゃんの肌がスベスベなのがいけないんだよ」
自身は、必死で魔術教団を潰していたのにこの女はいつものようにバッカプルやってるんだよと思うとセルギウスは多少腹が立ったが、エリザベートのゴーレムなければ不可能だったことを思い、不満を漏らすことはできなかった。
そんな彼にエリザベートは、すれ違いざまに
「お疲れ様、ありがとう」
と言った。
なぜか、セルギウスは胸がすく思いだった。




