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1年生 冬

 12月になった。私の死亡フラグ回避計画も確実に進んでいる。セレナと関わらない方針から仲良くなる方針にしたので怖いものはない。戦争やらも今のところ起こる気配はない。


 クーデターを起こす、セルギウスは私が手綱を握ってるから大丈夫だ。


 それは、そうと12月と言えばクリスマスである。クリスマス、イエス・キリストの誕生を祝うキリスト教のイベントなのだが、ファンタジー世界でキリスト教など存在しないこの世界にもクリスマスは存在する。世界観大丈夫?


 実はこの世界のクリスマスは名称が同じだけで、本質はかなり違う。この世界のクリスマスは恋人同士のお祭りなのだ。昔の凄い愛妻家の王様が毎年妻の誕生日であるクリスマスにグレイシアの花という白い綺麗な花を渡していたのが起源だと聞いたことがある。理解出来ないことにサンタクロースの文化があるが、それは忘れてくれ。


 ゲームだとこの日に好感度が1番高いキャラとデートすることになっている。そして、今後は統一ルートではなくデートしたキャラの個別ルートになる。

 とりあえず、セルギウスルートだけは避けるために嫌がるセルギウスを無理やり実家に帰らせた。逆ハールートは全員とデートなので、他の奴もアーサー以外は無理矢理予定を入れておいた。


 そして、アーサールートなら、セレナをいじめているという理由で5月のダンスパーティーで退場なので、ほかのルートのような死に方はしない。さらに、私とセレナは友達なので私が退場することも無い。さすが私、パーフェクトだわ。


 「エリちゃん、あーそーぼ」

 「え?」


 セレナがやってきた。あれ、マスラならアーサーとデートのはずなのにおかしいなー。


 ☆


 結局私は、セレナと遊びに行った。


 最初に遊びに来たのは王都の商店街でクリスマスマーケットがやってる。


「ねぇ、セレナ。あれ着て」


 と私は、店に並んでいるサンタのコスプレ衣装を指差す。


「えー、恥ずかしいよ」

「そこをなんとか」

「分かったよ、エリちゃんがそこまで言うなら着てあげる」


 そう言ってセレナは、試着室に行って着替えた。


「どうかな?」


 試着室からミニスカサンタのセレナが現れた。やばい、宇宙一可愛いかもしれない。


「店員さん、これください」


 私は1秒もしないうちに購入を決意した。だって、この可愛さは永久保存しなければいけない気がした。


「えっ、エリちゃんどうしたの?」

「この可愛さは、世界に残さないといけない」

「せっかくだから、エリちゃんも着て」


 うわ、このパターンは考えてなかった。


「断ろうとしたって無駄だよ。意地でも私は着せるからね」


 私は結局根負けして、ミニスカサンタを着ることになった。


「どう?」

「可愛いよ、エリちゃん。本当に可愛い!すみません、これください!」


 とセレナに食い気味で迫られた。


「バカップルかよ」

「バカップル呼ばわりとはひどいなあ、ヨシエ。……ヨシエ!」

「ヨシエちゃん、どうしてここに」


 突然トナカイの格好をしたヨシエが現れ状況を説明する。


「弱小貴族は、商会を経営することで生きているの今日はその手伝いよ」

「クリスマスなのに?」

「悪かったわね、クリスマスにボッチで」


 ヨシエはちょっと不貞腐れていた。


「それで、ミニスカサンタ2着お買い上げでいい?」

「うん」

「まいどあり」


 その後、私達は店番をするヨシエと別れ次のスポットに向かった。


 ☆


「ねぇ、エリちゃん。プレゼント交換しない?」


 セレナは突然提案した。


「私プレゼント用意してないけど?」


 だって、セレナにはアーサーと過ごして貰う予定で私は1人で過ごす予定だったから、プレゼントなんて存在しないんだよな。


「私も用意してないけど、今から1時間で好きな物を選んでそれを交換するでどうかな?」

「たのしそうだわ、やりましょう」

「それじゃあ、1時間後にあそこのツリーの下で集合でどう?」

「分かった」


 かくして、私のプレゼント選びが始まった。

 セレナに渡すプレゼントと言われると悩む。今まで、婚約者という建前上アーサーに何回かプレゼントを送らないといけなかったことはある。しかし、アレに送るプレゼントなんていつも適当だった。だが、今回はセレナだ。私の大切な友達のセレナに送るプレゼントだ。手を抜くわけにはいかないのだ。


「エリちゃん、買ってきた?」

「もちろん、バッチリよ」


 時間になったので、約束のツリーの下に来た。

 そういえば、恋が叶うと言う伝説のクリスマスツリーだっけ。そうそう、マスラではここで攻略対象からグレイシアの花を贈られるという名の告白されるんだったな。


 今、私しかいないけどまさかセレナが私の事を好きなんてことはないし大丈夫でしょ。あっでも、このまま行くとどこルートにも入らないからそれはそれで私の命が危険な気がするけどまぁいっか。


「それじゃあ、交換しようか」

「うん」


 私は用意していた包みをセレナに渡す。

 そして私はセレナから、プレゼントを受け取ると、私達は笑い出してしまった。


「エリちゃん」

「セレナ」

「「一緒だね」」


 どうやら、私とセレナは同じ店で買ったようで包装がまったく一緒だった。


「エリちゃん、中見ていい?」

「もちろん、私もいい?」

「うん」


 中身も全く同じだった、グレイシアの花をあしらったペンダント。クリスマスなら、定番のプレゼントだよね。


「プレゼントまで、一緒なんて。私たち息ぴったりだよね」


 そう私が言うと、


「そうだね」


 と言った後、急に抱きついてきて


 「エリちゃん、だぁいすき」


 と言った。


 「私もセレナのことが好きよ」


 と私は答えたんだった。

 その後、セレナは


 「えへへ」


 と笑って超ご機嫌だった。


 ☆


 グレイシアの花言葉:永遠の愛を誓う

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