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詩集「てのひら暦」

アップライトピアノ【詩】

ねえ、知っていますか?


アップライトピアノの弦が

お天道様から吊られているのを

だからあんなに温かい音がするのです


あなたがひとつの鍵盤に触れると

あまたの羊たちがめぇめぇと身を寄せ合い

光る弦に体当たりするのを

だからあんなに柔らかい音がするのです


震える木が

ふるさとの雨を思って泣いているのを

だからあんなに切ない音がするのです


共鳴する

写真立て、鉛筆、楽譜のクリップ

あらゆる雑貨が

思い思いに歌うポリフォニー

対旋律を奏でながら

六畳の和室に響いています

聞こえていますか

彼らの声が

彼らの主張が


アップライトピアノは彼らの歌を包みこみ

天に向かって指揮棒をふるっています


2019年8月制作。

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― 新着の感想 ―
[良い点] アップライトピアノの音が、好きなんだなと伝わって来る詩でした。 讃えられたピアノが、喜んでいそうですね。
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