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ガールズラブ、君の出番だ!

(言うほど大したことないですが念のため)

 大陸暦1052年 氷の月 18日


 日記ですから、今日の分から日付をいれていきたいと思います。

 まずは昨日(現実世界でも日付は変わりました)見るのを忘れていたキャラクターブックの2ページ目以降の確認から。


----------2ページ目----------


【父親】

 [名前]カイングラッド・ロスフェラード

 [種族]人間

 [職業]国王

 [生年月日/年齢]大陸暦993年死の月13日/享年37歳

 [友好度]良好

 [特筆すべき事項]ロスフェラード聖王国国王。

  大陸暦1030年空の月27日死亡。

【母親】

 [名前]マリアレシア・ロスフェラード

 [種族]人間

 [職業]王妃

 [生年月日/年齢]994年海の月7日/享年36歳

 【友好度】良好

 【特筆すべき事項】ロスフェラード聖王国王妃。

  大陸暦1030年空の月27日死亡。

【兄弟姉妹:1】

 [名前]アリスラーナ・ロスフェラード

 [種族]人間

 [職業]王女

 [生年月日/年齢]大陸暦1012年闇の月17日/享年18歳

 [関係]姉

 [友好度]良好

 [特筆すべき事項]ロスフェラード聖王国第一王女。

   ”ロスフェラードの三美姫” 大陸暦1030年空の月27日死亡

【兄弟姉妹:2】 

 [名前]シルティスレイ・ロスフェラード

 [種族]人間

 [職業]王女

 [生年月日/年齢]大陸暦1015年時の月14日/享年15歳

 [関係]妹

 [友好度]良好

 [特筆すべき事項]ロスフェラード王国第三王女。

  ”ロスフェラードの三美姫” 大陸暦1030年空の月27日死亡。

【その他家族】

 [名前]グリムレット

 [種族]王魔竜(黒)

 [職業]竜王

 [生年月日/年齢]NONDATA/NONDATA

 [関係]義父

 [友好度]良好

 [特筆すべき事項]黒の王魔竜。

【出身地】旧ロスフェラード王都/大陸西域

【文化レベル】文明人

【社会的地位】貴族(王)/裕福

【家庭環境と育成方針】

 [家庭環境]極めて仲良し

 [育成方針]蝶よ花よ


 ----------3ページ目----------


【生まれた場所】王宮(自分の家)

【異常な誕生】

 生まれた時に犬や狼、鴉と言った鳥や獣が集まった

 生まれた翌日、毒蛇や毒虫が家の中にあふれた

【幼少期に経験した出来事】

 趣味を持つ:園芸と動物の世話という趣味に没頭した。

【青年期に経験した出来事】

 悲劇/故郷の滅亡:あなたの生まれ育った故郷が何らかの理由で滅んだ。

 悲劇/家族との別離:あなたの両親および家族が死亡する。

  死亡したのは父、母、姉、妹。

【成人期に経験した出来事】

 異常な出来事/強力な竜の血と魔力の影響を受ける。

【壮年期に経験した出来事】

 なし

【老年期に経験した出来事】

 なし


----------4ページ目----------


【あなたの歩んだ歴史】

 大陸暦1052年 氷の月 17日 〈異人〉として覚醒。


【称号】

 〈ロスフェラードの三美姫〉


-------------------------


 ……いや、確かに種族とかを考えたら理解はできなくはないんですが……グリムレットさんって、私の父親扱いなんです?


      ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇


 ログインして目を覚ました私は【空腹度】と【渇水度】がそれなりに増加していたので、サルカンドラさんに食べる物について聞こうと村の中を適当にさまよい歩いていました。

 水は部屋の中にあった甕の中にあったんですけどね。コップとかそれに類するものはなかったので、悲しいですが、直に口をつけて飲みました。ぬるかったです。


 「村の周りにミドルラビットがいたでしょ?」


 やっと見つけたサルカンドラさんに質問した答えがこれでした。


 「いましたね」


 あのウサギモドキのことでしょうね。

 あのー、もしもし?なんでわけがわからないみたいな顔で何で私を見るんでしょうか?


 「食べない?あなた、草食だったかしら」


 「いやいや、いきなり生きてる動物を捕まえて食べるとかハードル高いんですけど……」


 やっとサルカンドラさんは納得がいった、とぽんと手をうちました。


 「そういえば人間は料理をして食事をするんだったわね。ごめんなさい、すっかり忘れてたわ。でも、そうすると困ったわね……子供でさえ自分で狩りをしてエサくらい取るのよ?人間の食事なんてこの村にはないわ」


 それは昨日見ましたね。ついでにじゃれつかれて死にましたが。たぶん、この様子ですと食事はみなさん自力調達が基本で保存なんてしてないんでしょうね。


 「じゃあ、生まれたての子用の食べ物をわけてもらうかしら」


 「一応、後学のために、どんなものか聞いてもいいですか?」


 すごく嫌な予感がしたので私は聞いてみました。

 独りで狩りができるようになるまでは外で獲ってきた獲物の肉を母親が噛んで唾液で柔らかくして肉団子にして食べさせるようです。貴重なドラゴンの生態が聞けました。でも、どっちにしても生肉なのでアウトですね。火があればとりあえず焼いてしまえば食べられるような気もしますが、そもそも火がないんですよね。現実みたいにスイッチをひねったらガスが通って火がつくわけでもないですし。

 ところで、部屋には炊事場みたいなものが備え付けてあったのに、何で料理を知らないのでしょう。


 「え?人間の建物にはああいうものがついてるものよね?」

 

 ああ、形だけなんですね、あれ。


      ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇


 「ノクー?いるかしらー?」


 事態を解決するべく連れてこられたのは村を出て岩場から離れたちょっと開けた場所です。

 サルカンドラさんが空に呼びかけると羽音をたてて1頭の黒いドラゴンが降りてきました。着地と同時に体が光ると人間の姿に変化します。〈人化〉ってこういう風にやるんですね。

 現れたのは黒髪のショートカットの女性です。目は金色に輝き、黒竜の威圧感を漂わせています。なかなかにグラマラスな体型ですが(うらやましくはないですよ?)、服装は完全に男性のもので、まさに男装の麗人という感じです。


 「ノク、この子に〈竜闘術〉の指導をしてあげてほしいのよ。ノエル、彼女はノクターナル。黒竜で、私たちの中では1番〈竜闘術〉の扱いが上手いのよ」


 ずずいっ、と無言でノクターナルさんが私に歩み寄ってきました。私のアバターもそんなに女性としては背は低くないはずですが、それより頭一つ長身です。ものすごい圧迫感に思わず後ずさりしかけたのですが。

 

 むぎゅう。


 次の瞬間、思いっきり抱きしめられていました。


 「はぁ……かわいいっ」


 私を力いっぱい抱きしめて、うっとりした声を上げているノクターナルさんの後頭部を、サルカンドラさんが思いっきりはたきました。


 「やめなさい。ごめんね、ノエル……この子、黒竜だからグリムレット様への忠誠心と愛情が人一倍強いのよね」


 「サルカンドラ。グリムレット様と同じ匂いと魔力がして、あんなにちっちゃいんだぞ。かわいくないわけないだろ」


 拳を握りしめて力説しているノクターナルさんの後頭部を、サルカンドラさんがもう1発はたいていました。大丈夫でしょうか、この人。あ、竜でしたね……このフレーズもいい加減飽きてきましたが。


 「というわけで、今からノクに〈竜闘術〉の基礎を教えてもらいましょう。ある程度使えるようになれば、食事は大丈夫よ」


 自信たっぷりにサルカンドラさんが親指を立てて言いました。

 いまいち戦い方と食事がどうつながるのかはわかりませんが(狩りで獲物が獲れたとしても、生肉が食べられないことに変わりはないんですけど)信じるしかないんでしょうね。



 ちなみに【空腹度】【渇水度】は0から100まであって、【渇水度】が100になると【HP】に、【空腹度】が100になると【SP】に徐々にダメージが入るようになり、最終的には死亡するそうです。

 今の私の【空腹度】は38なのでまだ余裕はありますが……100になる前になんとかなるんでしょうか。

 

 ……なるといいな……。

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