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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
3話 現実の戦い
9/21

察知

あらすじ

蒼い月光と恐れられているグリーヴス隊。

旧式機となった彼らのガーディアンは敵の新型に苦しめられる。

そこに新型のガーディアンのテストを任せられる。

いつかその流星をまた見る日が来るのだろうか。


あくる日にアマテラスの調整をしていると、キッドさんに声を掛けられた。


「おいルーク!今のアマテラスに足りないものは何だと思う?」


「足りないものですか?そうですね・・・」


装甲は申し分ないし、機動性ではトップクラスだ。

その上戦略兵器すら搭載している。

ただそれはおいそれと撃てるものではない。


そうなると残る武装は腕部のナイフと脚部のボムのみになる。


「アマテラスレーザー以外の武装が貧弱ですね・・・」


「そうだよう分かってるじゃねぇか。おいコリー!あれ持ってこい!」


そう言われたアシスタントのコリーさんが作業用のロボットであるモノを運んでくる。

それはガーディアンとしての武器と盾であった。


「アマテラス専用の連装ビームマシンガンと小型ミサイルポッド内蔵シールドだ。」


「連装のビームマシンガンですか?」


「ああ、ビームマシンガン自体はイギリスから技術提供されてたから製造は出来るんだが、フェルツじゃビーム兵器は使えないからな。連装化試験もなかなか大変だったんだぜ?」


キッドさんが自慢げにしている。

連装のビームマシンガンなんて聞いたことないから本当に自慢できるのでは無いのか。


「それで、このシールドは?」


「こいつはなぁ、何とあのビームを弾く素材で出来てんだ。」


「え!?ビームって弾けるんですか?」


従来のガーディアンの装甲ではビームなんて食らったら余裕で穴が空く。


テスト機であるアマテラスでさえ当たれば焼け焦げてしまうだろう。


しかしこのシールドは弾いてしまうというのだ。


「ブレイズ合金っていう最近造られた人工素材なんだがな、手に入れるのに苦労したもんだ。」


「でもそんな貴重な合金をシールドなんかに使って良かったんですか?」


「いんや、構わんさ。こいつは危険な武器庫でもあるんだぜ?」


合金の話で忘れていたが、小型ミサイルのポッドも内蔵しているのか。


「近距離戦での対応策だ。16連装のミサイルを間近で撃たれたら避けられねぇだろ?」


確かに、アマテラスには近距離戦が若干苦手だ。

距離を置くことが出来たら大分戦いやすくなるだろう。


「いい武装をありがとうございます、キッドさん。」


「データも取れるし一石二鳥ってヤツさ。」


「もしかして、これ全部キッドさんが造ったんですか?」


「そうだぜ?趣味みたいなもんだよ。」


趣味でガーディアンの武装が出来るんだろうか・・・



新武装をアマテラスに装着している時、ブルーさんがやって来た。


「おーいルーク、作戦会議があるからお前も来いって隊長が言ってたぜー!」


「は、はい!今向かいます!」


キッドさんがコクピットを覗いてくる。


「隊長を待たせるといけねぇ!後は俺に任せときな!」


「ありがとうございます!」


キッドさんには感謝してもしきれない。




全力疾走で会議スペースに向かう。

僕が着いたときには隊長以外の全員が揃っていた。


そして、後ろのほうに座っているブルーさんが自分の隣の席にココに座れと指を指していた。

その指示にしたがって椅子を引いて座る。


すると・・・

ブッという音が静かな部屋に響く。

そして爆笑が巻き起こる。


「ハッハッハ!引っかかったな!」


ブルーさんが大笑いしている。


「ププ・・・これ何です・・・?」


音が鳴るクッションは初めて見た。


「ブーブークッションって言ってな、100年前ぐらいに流行ったブービートラップらしいぜ。」


「でもどうしてそんなものがあるんです?」


「ノーティカル隊の新入りへの儀式みたいなもんだ、俺もやられたんだぜ?」


「最初は隊長がやり初めてな、恒例になったんだ。」


「なあ・・・お前らもういいか・・・?」


スミス隊長がコソッと入ってくる。


「ルークが例のクッションに引っかかりましたよ。」


「そうか・・・」


隊長は苦笑い。ずっと儀式が続いていると思っていなかったんだろう。


「まあそれはいい。作戦の説明をするぞ。」


そう隊長が言うと、一気に場の空気が引き締まる。


「間もなく最後に敵輸送艦が発見されたバトア島沖に着く。スカウトチームからの情報ではこの島

に潜伏している可能性が高いらしい。そこで我々ノーティカル隊が索敵をすることになった。」


「まいかぜの対空レーダーじゃいけなかったんですかい?」


まいかぜには高性能なレーダーが搭載されているのに、それでも発見できないのか。


「どうやらこの島ごと改装されてG.H.の前哨基地になっているらしいな、宇宙大戦で無人になってから観測を怠っていたツケだな。」


「でも誘い出した後はどうするんです?」


「それは敵機が出撃したタイミングに、ペンサコーラに搭載されているビーム主砲で山ごと敵基地の入り口を崩す。」


艦のビーム主砲を使う作戦は太平洋連盟では初の試みだろう。

それでも僕らはやらなければならない。


「よし、あと20分で作戦開始だ、幸運を祈る!」


そうして全員が愛機の元へ戻っていった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

今回出てきたブレイズ合金という名前ですが、元々主役機の名前にするつもりだった言葉です。

「B」なので2号機ですかね。

さあ次回からはルークの初陣です。

次回もよろしくおねがいします。

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