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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
2.5話 蒼い時計
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蒼い月光

あらすじ

ルーク達が出港した同時刻、宇宙ではブリティッシュ・オーダーが奔走していた。

その参謀でもあるレオポルド・バーグマン率いるグリーヴス隊は巡洋艦リヴェンジから出撃する。

8本の青い光の線を広大な宇宙に描くその部隊は蒼い月光と恐れられていた。

6年前の宇宙大戦でG.H.の月艦隊をたった8機で壊滅させたことに由来する。


その為G.H.側からすれば、一番に排除しなければいけない相手であった。



タルス級の全艦のハッチが開く。


『敵艦から24機のガーディアン、50機近くの無人支援機が発艦。』


「多いな。ハーキュリー、機種は何だ?」


「ルプスが20機、不明機が4機、無人機は全てリブラと見られます。」


「新型が出てきたか。後続の部隊にも通信だ。無人機と輸送艦は任せたと。」


「了解!」


敵の新型には今までに見たこともない爪のような武装がついている。

新兵もいる後続の部隊に戦わせるのは重荷だろう。


「フォーメーションβ-2!変形トランスタイミングは任せる!」


「「了解!」」


瞬く間に編成が組み変わる。


「間もなく交戦距離です!」


戦闘が始まった。



2色のビームが交差する。


グリーヴス隊の放つ青色のビームマシンガンは的確にガーディアンの弱点を突いていく。

そして黄色のビームを綺麗にかわしていく。

並の兵士ではまず当てることすら不可能だろう。


G.H.は一度のヘッドオンで4機ものガーディアンを失った。


「ここからは混戦になる!誤射には気をつけろ!」


「「了解!」」


ガーディアンの真正面からのぶつかり合い。

本来8機対20機では勝ち目はないだろう。


しかし彼らは違った。




変形したバーグマンは背面から取り出したショートソードを左手に突っ込んでいく。

1機のルプスが反応し、射撃をする。


しかし、その単純な射撃では掠りもしなかった。

懐に飛び込んだバーグマンはショートソードをコクピットに突き刺す。

そして相手が腰に装備しているビームソードを全て剥ぎ取る。


「グレイハウンドもビームソードも使えるはずだ!」


ちなみに、連盟軍のフェルツでは改修無しでは使用することも出来ない。

グレイハウンドにビームソードが搭載されていないのは単純にコストの関係なので、問題なく使用することが出来るのだ。


両手に2本づつビームソードを構えたバーグマンは敵の新型に接近する。

その動きに敵も瞬時に反応してくる。


新型故ベテランが操縦しているのだろう。

こちらから距離を取りながら右手のビームアサルトライフルと脚部のミサイルを放ってくる。

ミサイルは6発、かわし切るのは至難の業だろう。


だがバーグマンはガーディアンを航空機に変形させながら、高速で飛んで来るミサイルを20mmバルカンで落としていく。

ビームが彼の機体の右翼を貫いた時には間近まで接近していた。




バーグマンは再び人型に変形し、先ほど鹵獲したビームソードを振りかざす。

それにあわせて敵は左手の新兵器をこちらに向ける。

その蟹の爪のような武器は振りかざしたグレイハウンドの右腕を掴んだ。


「何て馬鹿力だ・・・。」


挟まれた右腕は瞬く間にひしゃげていく。

しかしやられたままではいかない。


バーグマンは咄嗟に左腕のビームソードで右腕ごと爪を切り落とす。

そして左腕を失ってひるんでいる敵機にそのまま振りかかる。


だが相手にもまだカードは残っていた。

肩部に仕込まれていたビームスプレッドはグレイハウンドの頭部を吹き飛ばすには十分な威力だった。


「くそっ!カメラがやられたか!」


敵機は今にも攻撃を仕掛けているだろう。

このままでは回避すらできない。


「カメラが無いならこうしてやる!」


グレイハウンドのコクピットが開く。

何と彼は肉眼で戦おうというのだ。


敵機の振りかざすビームソードとの鍔迫り合いが起こる。

グレイハウンドの手にあるビームソードは2本。

出力では圧倒的に上回っていた。


「うおおおおおお!」


相手のビームソードを弾いたグレイハウンドはそのまま右肩ごと敵の腕を切り裂きいた。

相手の左肩が光る。


しかしグレイハウンドが機体を切り裂く方が僅かに速かった。

バーグマンがコクピットを閉めた瞬間に敵機は爆発した。




別働隊によって2隻の輸送艦を破壊されたG.H.は、撤退を決めたようだ。

圧倒的機数差だったグリーヴス隊は全員生還した。

戦闘区域から離脱したバーグマンは無事リヴェンジに回収された。


「こんなに派手にやられるとは、情けないな。」


「もう6年も前の機体ですから、幾ら改修していたとしても寿命は来ます。」


「ああ・・・」


その時、バーグマンの端末がピピッと鳴る。


「艦長、どうされた?」


『隊長殿、地球本部から新型のガーディアンとその専用巡洋艦のテストをグリーヴス隊に任せたいと連絡が入りましたぞ。』


「いい所に来たな。了解したと伝えておいてくれ。」


通信を切る。


「新型機のテストだ!グリーヴス隊全員に伝えておけ!」


「了解!」




そして同時刻、空母ロバート・フォード。

ルークは夜空を見上げていた。

そこに偶然通りがかったブルーさんが話しかけてくる。


「ルーク、どうしたんだ?空ばっか見て。」


「いや、さっき光った気がして・・・」


「ああ、宇宙でも戦ってるからな、見えるときは見えるんじゃないか?」


そうだ、宇宙にも戦っている味方がいる。


「いや、流れ星かもしれないですよ。」


「そりゃいいな!ハハハ!」


背中をバシッと叩かれる。

僕はその流星をまた見ることになる気がしていた。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

戦闘シーンは頭に思い浮かべながら書いております。

バーグマンの無茶苦茶な動作を考えるのは難しいですが面白いですね。

さて、今回はG.H.側の新型の紹介と行きます。


【宇宙海賊ゲルト・ハルバード】


キャリナ

G.H.の技術で一から造ったガーディアン。

そのため奇抜な武装が多い。

基本武装はルプスと互換性がある。

武装:ビームアサルトライフル×1 シールド装着キャンサークロー×1

   肩部ビームスプレッド×2 脚部装着ミサイル×6

   腰部ビームソード×2


次回もよろしくおねがいします。

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