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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
2話 新たな出会い
4/21

つかの間の平穏

あらすじ

ソフィアを失ったルークは仇討ちに必死になっていた。

追い討ちをかけていた敵機を八つ裂きにするほどであった。

最大の仇であるカインハートを逃さんとするべく、ルークは戦争の引金を引いた。

もう戦いの音は聞こえない。

戦闘は終わったのだ。


僕はただ、冷たくなった姉さんの体を抱きかかえていた。


【通信系統ガ回復シマシタ、外部トノ通信ヲ推奨シマス】


今の僕は、何も言う事が出来なかった。




どれくらい経っただろうか、ピピッという音が聞こえた。

味方の部隊だ。


そのうちの1機のフェルツが接近してくる。


【味方機カラノ通信デス】


「そのガーディアンは・・・アマギ中尉だな?無事か?」


声が出ない。


「アマギ中尉!応答しろ!俺だ!スミスだ!」


僕はその名前に聞き覚えがあった。


「スミス隊長ですか・・・?」


「ん?君は誰だ?操縦しているのはアマギ中尉ではないのか?」


違う・・・違うんだ・・・

何もかもが間違ってるんだ・・・


「姉さんは、ソフィア中尉は・・・」


「姉さん?もしや君は中尉の弟か!どうして・・・」


告げなければならない。


「ソフィア・アマギは・・・もう・・・」


言葉が、続かない。



安全な場所に運搬されたアマテラスからは、姉さんの遺骸と、血だらけになった僕が救出された。

その場に居た全員が姉さんの変わり果てた姿を見て哀悼し、敬礼をしていた。



救出された僕は簡単な身体検査とシャワーを浴び、誰もいない団欒スペースへと案内された。


「ここは・・・?」


「空母ロバート・フォードの艦内だ。」


「君はアマギ中尉・・・いや、少佐の弟だね?」


「はい・・・メルボルン軍事学校所属ルーク・アマギです。」


「私は第3艦隊旗艦空母ロバート・フォード所属ノーティカル隊隊長オリバー・スミスだ。」


昔姉さんから聞かされたことがある。

隊長のスミス大尉は守護者としての師匠であると。


「ルーク、君の心情も察するが、聞いておかなければいけないことがたくさんある。」


「はい。」


「とは言ってもAIが一部始終のデータを残しておいてくれた。だから聞きたいのはアマギ少佐が誰に殺害されたかだ。」


僕はありのままを話す。


「練習機から脱出した姉さんは右足に大怪我を負ってしまいました。そして、アマテラスに乗り込む前に格納庫内で銃弾を受けました。」


「それは誰だ?」


「カインハート・・・と名乗っていました。」


スミス隊長が目を見開く。


「何だって!?カインハートだと!生きていたのか!」


「姉さんも驚いていました。何者なんですか?」


姉さんの仇だ。情報は出来るだけ聞いておきたい。


「トレミー戦役での悪魔だ。味方機が奴に沢山墜とされた。部下も数人やられた。でも、奴はアマギ少佐が仕留めたはずだったんだ。」


僕は悪魔を相手にしようとしているのか。

それでも僕は諦めるわけにはいかない。


「もしや・・・完成したばかりのエレボスは奴の手に・・・?」


「恐らく・・・」


「何てことだ!AI認証がされていないところを狙われるとは・・・」


スミス隊長は頭を悩ませていた。

これから世界を護るはずだったガーディアンが倒さなくてはいけない敵になったのだから。




姉さんが亡くなったことは、艦内に広まっていた。

僕はスミス隊長と共にアマテラスへ向かっていた。


「隊長~助けてください!」


「キッド、どうした?」


「アマテラスの野郎、絶対に操縦桿を動かさせてくれなくて困ってるんでさぁ。」


「こんな所にずっと居られても困るぞ。」


「そうは言われましてもなぁ。」


これは・・・もしかして。


「僕に動かさせてもらえませんか?」


「お前さんみたいなガキが?何でぇ?」


「AIが残したデータどおりなら・・・ふむ、ルーク、やってみろ。」


「はい!」


アマテラスのコクピットに飛び乗る。

まだ姉さんの血の匂いはとれていない。


「アマテラス、起動!」


【AI認証、サレマシタ】


膝をついていたアマテラスが立ち上がる。


「おわわ!なんでぇあのガキには動かせるんですかい?」


「ボイスレコーダーに残ってたんだ・・・アマギ少佐は弟にガーディアンを託したのさ。」


「じゃあアマテラスはもうあのガキにしか動かせないんで?」


「そういうことだ。設定権はもう誰にもない。ルークにもな。」



スピーカーで話しかける。


「どこに移動すればいいですか?」


「あ~、じゃあ航空機モードで17番に止めておいてくれ!」


「了解しました!」


アマテラスが変形し、ゆっくりと動いていく。


「ふむ、俺は今後のことを艦長と話してくる。後は任せたぞ。」


「え~!ガキのお守りですかい?」


「あいつはガキじゃないさ。」


スミス隊長が声を投げかけてくる。


「ルーク!これからミッチリ叩き込んでやるから覚悟しておけ!」


「は、はい!よろしくお願いします!」


ここから僕とスミス隊長の奇妙な師弟関係が始まるのであった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

今回出てきたスミス隊長は世界でも貴重な第1期のガーディアン乗りです。

そんな人に教えてもらえるなんて、ルークは一体どうなってしまうのでしょうか。

さて今回紹介するのは、スミス隊長が愛用しているこの機体です。


【太平洋連盟】


フェルツ

連盟軍の量産ガーディアン。

汎用機であるため目立った箇所はないが、多くの兵が愛用している。

基本武装は少ないが、オプションパーツが豊富で人それぞれにカスタマイズされている。

武装:40mmマシンガン×1 胸部20mmバルカンポッド×4

   背面ミサイルポッド×6 シールド装着型ショートソード×1


次回もよろしくおねがいします。

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