復讐の鐘
あらすじ
ソフィアと共にメルボルン基地に飛び立ったルーク。
しかし、敵ガーディアンはそれを許さなかった。
負傷しながらもたどり着いた基地の格納庫には機密であるアマテラスとエレボスの2機があった。
突然現れたカインハート。響く銃声。
姉から受け継いだアマテラスをルークは起動する。
僕は、護りたかったものを失ってしまった。
自分の手の内で消えてしまったんだ。
近くで戦闘音が聞こえるが、そんなことはどうだって良かった。
どうしていいか分からなかったんだ。
ピピピッと警告音が鳴る。
【敵機接近、4時方向デス】
カメラ越しに見えたその機体は、先ほど追撃してきたガーディアンだった。
その時、僕の頭にあるいけない考えがよぎる。
「そうだ・・・奴らさえいなければ、姉さんは死ななかったんだ・・・」
格納庫のシャッターを吹き飛ばす。
「姉さんの仇は僕が討つ。」
敵もこちらに気づいたようだ。
先ほどビームマシンガンを落としている相手はビームソードを取り出そうとする。
「許さない、ゲルト・ハルバード・・・」
練習機とは比べ物にならないスピードで接近する。
今使える武装では唯一有効な腕部内蔵超振動ナイフで敵の左腕を切り裂く。
敵の持っていたビームソードは、振るう前に落ちていった。
すかさず相手ももうひとつのビームソードを右手で取り出そうとする。
しかし、アマテラスはそれすらも凌駕する速度で右腕も切り落とす。
「切り刻んでやる・・・」
抗う術を失った敵機は、バラバラになっていく。
敵機がほぼコクピットのみになった時、ルークはオープン回線でこう言った。
「カインハートはどこだ？」
敵機も回線を繋いでくる。
敵｛中佐は艦に戻った！貴様ら如きが止められるわけないだろう！｝
「そうなんだ。じゃあ・・・」
腕をコクピットに伸ばす。
「さようなら。」
左腕の超振動ナイフが赤く染まる。
狂った笑い声にも聞こえる断末魔が辺りに響いた。
カインハートを倒すためには、あの巨大な輸送艦を沈めなければならない。
僕は航空機モードで飛行しながら、武装の確認をしていた。
「内蔵してる射撃武器・・・」
【脚部内蔵ボムポット残弾0、戦略兵器ソーラーレーザー50％チャージ】
「ソーラーレーザー・・・？」
【機体後部ノ日輪デ太陽光ヲ吸収シ、強力ナ熱エネルギートシテ発射シマス】
「それは、敵輸送艦を撃沈できるのか？」
【コノ機体ハ、艦隊戦デノ切リ札トシテ用イラレマス】
「あの艦を墜とせるんだな。」
あのオリオン級を墜として仇を取る。
許せるはずもない、あの男ごと。
消してしまえ。消えてしまえ。
【モウマモナク射程内ニハイリマス】
「射撃準備！変形！」
【了解シマシタ、トランス、リミッター解除】
人型に変形した途端、後部にあった日輪が前方に移動してくる。
「これは・・・？」
【アマテラスレーザー、スタンバイ】
照準を敵艦に合わせる。
「こんな・・・ガーディアンの武装で艦が墜ちるのか？」
【アマテラスニハ不可能ヲ可能ニスル術ガアリマス】
本当だろうかと考えている隙にも、チャージしていたエネルギーが機体前方に集中する。
【不足エネルギーヲ、機体エネルギーカラ賄イマス】
52％となっていた表記が73％となる。
発射可能と表示が切り替わる。
【発射カウント・・・3,2,1】
「発射ァ！」
僕は、戦略兵器のトリガーを引いてしまった。
極大のレーザーが、空を焼き尽くす。
回避不能のそれは、輸送艦に直撃したかのように見えた。
しかし敵艦は直撃部分をパージして、逃走を図っていた。
「そんな・・・沈まなかった・・・のか・・・？」
【エネルギー不足ガ原因ト思ワレマス】
「追撃しないと・・・カインハートを・・・姉さんの仇を討たないと・・・」
【機体エネルギー残量ガ5％ヲ切リマシタ、行動デキマセン】
「そんな！」
姉さんの仇を・・・討つことが出来なかった・・・
僕は悔しくて、地上に墜ちた機体の中で号泣していた。
どうも緋吹 楓です。
読んでいただきありがとうございました。
戦略兵器、積んじゃいました。
主役機に戦略兵器を積むのは個人的にロマン溢れていると思います。
さて、今回はアマテラスの紹介をします。
【太平洋連盟】
アマテラス
ＡＺ計画によって造られた試作ガーディアンの1号機。
ＡＩ認証による管理で強奪される心配はない。
太陽光をチャージすることで強力なレーザーを放つことができる。
ガーディアンなので一般機と同様に航空機に変形することも出来る。
日本神話の天照大神がモデル。
武装：連装ビームマシンガン×1（現在未装備） 腕部内蔵超振動ナイフ×2
脚部内蔵ボムポッド×4 シールド内蔵小型ミサイルポッド×16（現在未装備）
戦略兵器アマテラスソーラーレーザー×1
次回もよろしくおねがいします。
