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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
3話 現実の戦い
11/21

危機

あらすじ

始まるバトア島攻略作戦。

初の航空戦。

新装備を構え、ルークは戦う。


逃亡を図る敵輸送艦群がバトア島の中央部に出現する。

その中にはメルボルンでソーラーレーザーを撃ちこんだオリオン級もいた。


おそらくあの中にはカインハートがいるだろう。

どうにかして墜とさなければ。


「隊長!」


「焦るな!敵艦には直掩機もいる!俺達2機でどうにか出来るものじゃない!」


「でも!」


あれだけは逃がしてはいけない。

焦れる思いがアマテラスを前へ前へと向かわせていた。


「でもじゃない!味方艦からの支援砲撃を待つんだ!」


その時、ペンサコーラからのビーム砲撃が敵輸送艦群に放たれた。

かなりの威力のようで、艦付近の敵機は左半身だけが蒸発していた。


その数発のビーム射撃は中央のオリオン級に命中する。

砲撃を受けたオリオン級はエンジンから煙を吹きながら降下していた。


「敵主力艦が・・・!」


他の小型輸送艦のタルス級3隻は最高速で撤退している。

船体の大きいオリオン級がだんだんと孤立しているのは確かだ。


「よし、目標は艦隊から外れたオリオン級だ!まずは出てくる蜂から墜とすぞ!」


「了解!」




敵艦に近づくにつれて抵抗も激しくなっていく。

それにつれて、警告音も鳴り響く。

敵艦のハッチから7機の機体が出撃し、こちらに飛んで来る。


「想定通りだ。蜂が来るぞ!」


【敵機接近、ガーディアン1、無人機6デス】


「ガーディアンは1機だけなのか?」


確かにガーディアンは1機だけであった。

しかしその機体は漆黒で塗り固められていた。


「あのガーディアン・・・まさかエレボス!?」


姉さんの仇であるカインハート。

奴が今、近づいてきている。


「くっ、奴が出てきたか。射撃戦で対応するんだ!近づけさせるな!」


連装ビームマシンガンを構える。

先ほどと同じようにものすごい弾幕を張る。


並大抵の腕では避けきれないだろう。

しかし、これまで生き残ってきたカインハートは違った。


{当てられるか?この私に!}


カインハートの声が聞こえる。


「どうして・・・当たらない!」


「奴の声に惑わされるな!」


心が焦る。

手元が狂う。

反面、奴は目では捉えきれないような速度で迫ってくる。


「何てスピードッ・・・」


「エレボスにはファストスラスターが搭載されている!予測するんだ!」


自動ロックオンすらも追いつかない状態では、僕の思考も追いつくことが出来なかった。


【敵機接近、距離5mデス】


もう、目の前にいる。


「ルーク!!」


スミス隊長にそう呼ばれたときには、エレボスに両腕を掴まれ、一気に地上まで圧し飛ばされていた。


「うわああああああああああ!!」


地面に叩きつけられ、ものすごい衝撃が走る。



意識が一瞬飛ぶ。


【エアバックガ作動シマシタ】


頭が、痛い。


後頭部がズキズキと痛む。


何がどうなっているんだろうか。


しかしそれは、上に覆いかぶさっているエレボスがブロードソードを振りおろそうとしているのを見て、理解することが出来た。


{貴様もトレミーの鐘と同じ場所に送ってやろう!}


カインハートは僕にトドメを刺そうとしているのだ。

アマテラスのコクピットに突き刺そうとしているのだ。

ここで僕は殺される。



・・・駄目だ。死ねない。

死ぬわけにはいけないんだ!


「僕は、姉さんの仇をとるんだああああああ!」


脚部のボムポッドが開く。

トリガーの一番下のボタンを押す。

それによって発射されたボムは宙を舞う。


アマテラスとエレボスの間に爆発が起こる。

唐突な爆発にカインハートは対応できなかったのか、ブロードソードは吹き飛んでいった。

その隙を利用し、エレボスを押し退ける。


{やるな!一本取られたか!}


「うおおおおおおおお!」


右腕の超振動ナイフを起動する。

エレボスの腕を切り落としにいく。


しかし、エレボスにも超振動ナイフは搭載されている。

刃と刃が当たり、火花が散る。

空気まで振動し、共鳴が起こる。


{な、何だこの音は!?}


頭に響くほどの共鳴の啼き声。

先ほど冷静になっていた僕には関係なかった。


左手に装備されたシールドを振るう。

その巨大な質量は鍔迫り合いで動けないエレボスを薙ぎ倒した。

共鳴が終わる。


その時、敵艦の方から爆音と共に煙が上がる。

味方艦のビーム砲撃が命中したのだろう。


{・・・ここは仕切り直させてもらおう。さらばだ。}


「待て!」


シールドを構えてミサイルを撃とうとする。


【ミサイル弾切レデス】


エレボスは航空機へと変形し、去っていった。


「また・・・逃がしてしまったのか・・・?」



さっきの衝撃でスラスターが壊れてしまって動けなくなっていた。

追いかけることすら出来ずにいた。

ただ、見ていることしか出来なかった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

オープン回線大好きなカインハートでした。

アマテラスが遠距離機なのに対して、エレボスは近接機です。

相性最悪ですね。

スミス隊長が近づけさせるなと言ったのもそのためです。

さて、今回はエレボスの紹介をします。


【太平洋連盟→宇宙海賊ゲルト・ハルバード】


エレボス

AZ計画によって造られたガーディアンの5号機。

見た目に関しては、アマテラスとの共通点が多い。

完成したばかりでパイロットが決まっておらず、AI認証が登録されていなかった。

最新技術であるファストブラスターによって高速移動が可能。

ギリシア神話のエレボスがモデル。

武装:ビームショットガン×1 腕部内蔵超振動ナイフ×2

   脚部装着型ショートソード×2 胸部20mmバルカンポッド×4

   背面装着型ブロードソード×1 腰部拡散ミサイルポッド×8


次回もよろしくおねがいします。

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