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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
3話 現実の戦い
10/21

滑走

あらすじ

アマテラスはキッドさんによってさらに強くなった。

作戦会議ではバトア島攻略の説明がされる。

索敵が主任務のようだが・・・。

その作戦はホワイト艦長の号令から始まった。


「これより作戦を開始する。ガーディアン全機発艦!」


「よし、ノーティカル隊は順次発艦!」


味方機が次々と空へ上がっていく。

通信の小窓にスミス隊長の顔が映る。


「ルーク、あまり気負うな、何かあったらすぐに俺に伝えろ!」


「ありがとうございます、了解です!」


隊長のフェルツが発艦する。

次は僕の番だ。


初めての空母からの発艦にどうしても体が強張る。

最終チェックの際、キッドさんから通信が来る。


「緊張すんな!お前さんにはアマテラスが付いてんだ!」


そうだ。僕にはアマテラス・・・姉さんが付いている。


「ありがとうございます。お陰様で飛べそうです。」


「よしその意気だ!行ってこい!」


アマテラスのエンジンが大きな音を立てる。


「ルーク・アマギ、アマテラス発艦します!」


アマテラスは大きな翼を広げて大空に飛び出した。




空に上がると、隊長からの通信が来る。


「会議で話したとおり3中隊に分かれる!ピーティ、ブルー、ルーク、付いてこい!」


隊長機の後ろに3機が付く。

左側の機体から通信が来る。


「ルーク!あんま離れんなよ!」


「はい!」


右側の機体からも通信が来る。


「そう言うブルーも近づき過ぎないようにな。」


「分かってますよ!」


「そういやルークとこうして話すのは初めてだな。」


「よろしくお願いします。」


「後ろから援護してやるから安心して戦えよ。」


ピーティさんの愛銃には大きなスコープが付いている。

長距離戦に対応してカスタムパーツが機体に装着されている。

任せられる背中が大きすぎる。




ある程度島に近づいた時、管制から指示が届く。


『ノーティカル隊全機へ。スミス中隊はサブサブ湾方面、リード中隊はラビー島方面、マッキー中隊はブア湾方面から索敵を開始、異常があれば本艦に報告を。』


「スミス、了解した。正面方向に飛ぶぞ。」


4機が編隊を組みながら島へ接近する。


「隊長、滑走路がありますけど。」


目のいいブルーさんが緑に埋もれたそれを見つける。


「あれは元々空港があった場所だな。滑走路でも調べてみるか?」


「どうしてです?」


「もう何年も使われてないんだから使用状況を見れば敵がいるか分かるだろうが。」


航空機が飛ぶには滑走路の整備が必要だ。

敵に使われているなら分かるだろう。


「確かに。じゃあ調べに行きますか?」


「少し滞空したほうがいいんじゃないか?敵機が狙ってるかもしれない。」


「そうだな。他の隊の報告を待ってもいいかも知れんな。」


その時、東方向から爆音が響く。

空が揺れる。


「こ、これは・・・!」


「ああ・・・始まったぜ。」


遠くにG.H.のガーディアンの編隊を視認する。


「気を引き締めろ!こちらにも敵がいるかもしれん!」


後ろの味方の艦隊からペンサコーラのビーム主砲が発射されている。

敵の基地を叩いているだろう。

その様子は蜂の巣をつついているように見えた。



少し前までは無人であったこの島はもう戦場と化していた。

そしてその戦場の波はこちらまで押し寄せてきた。


「滑走路に熱源反応!滑走路が開いてるぞ!」


滑走路が開く?

その意味は敵機が撃ち出されて来て分かった。


滑走路の下にカタパルトが造られていたのだ。

入念にカモフラージュされていたハッチに誰も気づけなかったのである。


ガーディアンは6機、無人機はおおよそ10機といったところだろう。

そのガーディアンの中にエレボスはいない。


「全機、変形トランスして交戦!」


4機のガーディアンが同時に変形する。


「敵機来ます!」


変形を終えた敵の編隊がこちらへ突っ込んでくる。


「敵のビームには当たるな!機体を撃ち落とせ!」


「そんな無茶な~!」


ビームを撃てないフェルツとビームを撃てるクラックスとルプス。

純粋な弾幕では圧倒的に不利である。

だが、敵機の方が簡単に被弾する。


「おし、また1機落とした!」


ピーティさんのスナイプが敵機の翼を綺麗に撃ち抜いているのである。


僕も負けていられない。

正面に構えていたシールドの側面が開く。


【ロックオン完了】


左手のトリガーを引く。

飛び出した16発の小型ミサイルはクラックス目掛けて飛んでいく。


そのクラックスはそれに気づき変形し高速で避けようとしとものの、それはどこまでも付いていく。

16発のミサイルは敵を包み込み、爆散した。


「うえぇ・・・あれは食らいたくないぜ・・・」


そういうブルーさんも前線で槍状の武器を振り回している。

あんな柄の長いもので突かれたらひとたまりもないだろう。

実際にクラックスとの交戦では先手を取れている。

僕はそこで1機のルプスがブルーさんを狙っているのを見た。


「ブルーさん危ない!」


右手に持っている連装ビームマシンガンを構え、撃つ。

連装ビームマシンガンはものすごい弾幕を張り、ルプスを蜂の巣にする。

照準のずれたルプスのビームはブルーさんの機体を掠める。


「ルーク、助かったぜ!サンキューな!」


僕には姉さんがくれた力がある。

そう、アマテラスには護る力がある。

そう自信をつけた時、地響きが起こる。


「何だ!?」


管制から指示が来る。


『敵輸送艦が出現!撃沈が最優先目標です。』


輸送艦、あの時に逃した艦だろうか。

そうなればカインハートが乗っている可能性が高い。


「全機聞いたか!?これより何とかしてあの艦を墜とすぞ!」


「何とかって、そりゃ無茶ってもんですぜ~!」


まだこの空域には敵機も残っている。


「泣き言は後で聞いてやる!今はやるしかないんだ!」


「いや、ブルーと俺はここで敵機を引きつけます!隊長とルークが行ってください!」

確かに敵機を引き連れたままでは輸送艦どころではないだろう。


「分かった!ブルー、ピーティ、ここは頼んだぞ!ルーク、ついて来い!」


「了解!」



今度こそ仇を討つ。

その思いで僕は一番に飛んでいった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。

ノーティカル隊の初交戦シーンですね。

ちなみにバトア島はフィジー諸島のひとつの島ですね。

今回出てきた機体の説明は2話でしております。

次回もよろしくおねがいします。

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