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天照らす守護者(ガーディアン)  作者: 緋吹 楓
1話 天照らすガーディアン
1/21

勃発

天照らす守護者ガーディアン、始まります。

ルーク君の成長をどうか見守ってあげてください。

編隊を組んだ守護者ガーディアン達が大空を舞っている。

地球に住む人々を宇宙の脅威から護っている。


僕は、護る力が欲しくて軍に入ろうと決意したんだ。




2118年、メルボルン軍事学校にて。

教壇の前の電子黒板に文字が刻まれている。

眼鏡をかけた教官が熱弁を振るっている。



「まずは最初に【ガーディアン】について復習から始める。この話は何度もしているが、前回の筆記を落としたものはしっかりと聞いておけ。」


教官の簡単なおさらいが始まる。

ガーディアンとは、今から16年前に開発された人型に変形可能な航空機の総称だ。

本来の戦闘機に比べ2周りほど大きく、その分頑丈に設計されている。

ガーディアンは空だけでなく宇宙でも運用される。

秩序を保つ為に生み出されたものだが、かえって戦争を引き起こしてしまうものでもある。

6年前に勃発して地球人口の3割が散り、たった5ヶ月で終戦した宇宙大戦のように。


僕は少しだけ物思いに耽っていた。



「それではついでに2年前に起こったトレミー戦役についても復習する。用意はいいか。」


少々難解なエリアだからか、教室にいる全員が手持ちのタブレットを開く。

ボーっとしていた僕は少しだけ遅れてから開く。


「では、マーフィー、トレミー戦役はどうして起こった?」


「宇宙セクター3での太平洋連盟軍の輸送艦が宇宙海賊ゲルト・ハルバードによって撃墜され

たことで起こりました。」


「よろしい。モリス、戦役はどこで行われた?」


「セクター5からセクター7までの暗礁宙域で行われました。」


「よろしい。アンダーソン、我が軍とG.H.のガーディアンの名前を。」


「我が軍の主力機は現役のフェルツ、G.H.の主力機はルプスです。」


「よろしい。ふむ・・・」


しばらくの沈黙が教室中を包む。


「アマギ、この戦役で生まれた我が軍のエースの名前を答えろ。」


教官に当てられて少し固まってしまう。

答えはとても簡単だ。何故なら。


「は、はい!ソフィア・アマギ・・・中尉です。」


「そうだ。自分の姉の戦歴ぐらいは瞬時に答えられるようにしておけ。」


「はい・・・」




授業が終わった後、僕は食堂でコーラをちびちび飲みながら考え事をしていた。

そう、僕の姉さんはトレミー戦役でのエースである。

5歳年上である姉さんは軍事学校を卒業して間もない頃に戦役へと向かい、生還してきたんだ。


でも僕にはそんな才能はない。

格闘訓練での結果も大したことはないし、筆記問題なんて下から数えた方が早い。

強いて言えば射撃訓練で学年トップ10に入ることが出来たぐらいだ。


その時、頭をガシッと掴まれる。


「少年よ、何を悩んでおるのかね~?」


「姉さん!どうしてここに?」


「ルークったら忘れたの?私は今日から名誉教官でしょ?」


「あれ?そうだったの?」


すっかり忘れていた。


「それに、ここじゃ姉さんじゃなくてソフィア中尉でしょうが。」


「ご、ごめんなさい、中尉。」


「それで、何を悩んでたのかな~?」


「どうしたら姉さん・・・中尉みたいになれるのかなって。」


そう言うと姉さんはしばらく考えてからこう言った。」


「私が生き残れたのは実力なんかじゃなくてただの運よ。」


そう言う姉さんはなんだか寂しげだった。




その時、静かだった食堂に爆音のアラートが響いた。


『現在、メルボルン海軍基地がガーディアンからの攻撃を受けています。生徒は最寄りのシェルターに避難してください。繰り返します・・・』


「姉さんこれって・・・」


「ええ、また戦争が始まるわ。」


姉さんの無線機にも振動が走る。


『アマギ中尉!アマテラスが!』


僕にはその言葉だけしか聞こえなかったが、落ち着きのない声だった。

アマテラスという言葉は姉さんを慌しくさせていた。


「何ですって!?今行くわ!」


そういって姉さんが外へと走り出す。


「姉さん!どこへいくの!?」


「メルボルン基地よ!行かなくちゃならないの。」


「そんな!どうやって行くのさ?」


「練習機で行けばまだ間に合うはずよ!」


僕も姉さんを追いかける。

エースである姉さんなら大丈夫だと思うけど、何だか嫌な予感が頭の傍によぎっていた。




姉さんが格納庫へと向かう。


「そんなの!一人じゃ無茶だよ!」


「でも行かなくちゃならないの!」


他に誰もいない格納庫で一機の練習機が起動する。


「僕も乗るよ!」


姉さんがコクピットへ乗り込んでこう告げる。


「死ぬわよ。」


確かにそうかも知れない。

練習機で飛んでいっても無事に基地に辿り着けるかなんてわからない。

辿り着けたとしてもそこで待っているのは圧倒的な性能差の敵機だろう。


例えそうだとしても。


「それでも!姉さんを一人で行かせたくないんだ!」


格納庫のシャッターが開かれる。


「・・・分かったわ。その代わり、ちゃんと命令は聴くこと。いいわね。」


「了解!」


ヘルメットを被りながらサブコクピットに乗り込む。



「管制室、応答願います・・・駄目ね、通信妨害されてるわ。」


「レーダーにも何も映ってないよ。」


「じゃあ飛んでみるしかないわね!」


エンジンを吹かせながら滑走路を走る。


「ソフィア&ルーク機、出撃します!」



一機のガーディアンが飛び立つ。

そうして、僕らは戦場であるメルボルン海軍基地に向かうのであった。

どうも緋吹 楓です。

読んでいただきありがとうございました。


遂にロボット物にまで手を出してしまいました。

書いてみたかったんです!お許しください!

変形ってロマンの塊ですよね。


次回もよろしくおねがいします。

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