第6話 四巻を読み終えて
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【さいごに】
ここまで読んでくださりありがとうございます。
これで四巻はおわり。少し短かったかもしれませんが、ここで読者のあなたを呼ばなくてはならなかったので。
フローラ姫の祈り、しかと聞き届けました。
平和の世界は私たちも望むもの。そのために鈴蘭を神にして消えてもらう必要があります。
さぁ、追いかけっこの時間です。
私の世界の物語が順調なら、あなたがこれを読んでいるのは聖礼祭の直後。
ここまでのパーツを集めて、私にたどり着いてください。
次の物語は、来年のナッチメイル訪問。その頃までに、作戦をじっくり練ることにしましょう。
それでは、またどこかで。
※※※※※※※※※
本を閉じたと同時に、部屋のドアがノックされた。
「結城だ。入るぞ」
返事もまだなのに、結城が入ってきた。まぁいいけど。
「どうしたか?」
「ああ、三巻とも読み終わったからその本借りに来た」
「はやっ。嘘だろ? 俺一晩かかったんだけど」
短めの四巻読んでる間に全て読むなんて神業過ぎる。真面目に結城は規格外って理解しないといけないと改めて思うわ。
「パラパラって見れば読めるだろ。ほら、それも貸せよ」
さも当然のように言って、四巻をパラパラ捲り始めた。流し読みじゃないか?って思うけど、結城は本当に頭に入ってるんだろうな。
結城が読んでる間に、四巻について考える。
後半のデート回は本気で苦行だったけど、鈴蘭が幸せそうで何よりだ……。
前半については、色々思うところがある。
英雄党が久しぶりに出てきたんだけど、なんか一巻と印象が変わってきたんだよな。今までは白き英雄が好きすぎて暴走してる集団みたいな印象だったんだけど、本当はかなり理性的で人道的なのかもしれないって。
ショール先輩でも不明な集団……、単純な目的で動いてるだけじゃないのかも。それにフローラ様へのメッセージって……
「読み終わった」
「はやいはやい。結城は何かわかったか?」
期待を込めて尋ねると、渋い顔でため息をつかれた。
「お前、よくこんな重いもん普通に読めたよな。知り合いの知られざる過去ばっかりで俺でもゾッとした。
特にカーナ=カーネリアンが洗脳されたとはいえ兄を手にかけたとこ」
「……俺もいっぱいいっぱいのことばっかりだったよ。カーナさんは、どうしてセカイに目をつけられたんだろうな」
と、結城の方をみるとかなり深刻そうな表情で眉間に皺を寄せていた。
俺もカーナさんのことは驚いたけど、この本の内容的にリコリスとかセピアの方が重要そうだからあまり深く考えていなかった。
結城には何かわかったのだろうか。
「わっかんねぇ。カーナさんのところだけ、何の関係性も見当たんねぇんだよな。他の布石の理由は大体わかったけど」
「えっ!? わかったのか!」
思わず大声を出すと、あからさまに煩いと睨まれた。いやでも、あの不可解な出来事の数々が一本線にならないから俺は混乱してたのに、さすが結城だ。
「ま、ライトに予備知識がないからわからねぇんだろうよ。俺は世界の誰よりも本を読んでるだろうって思ってるし」
「それで、セカイのメンバーが誰かとかはわかったのか?」
「……まだ疑惑ってくらいだけど。つかライトも自分で考えろよ。ヒントやるから」
そう言って俺の机に広げられたノートを指差した。本を読んでメモしたページが開かれていた。
「あれにまとめたんだろ。
……まず、白き革命が終わったのが6年前の昨日。武道大会はその数ヶ月前の夏。鈴蘭がセピアにいたのは1年半。……諸々考えると、鈴蘭が記憶を無くしたのは1099年だ」
……年号とか覚えれない。
まぁいいや、白き革命が1100年だから、その前の年に記憶喪失したってことでいいんだよな。
「もう一つヒントだ。
ジェミニカ、ナッチメイル、ネイコ。この三国はそれぞれ独自の文化を持っている。名前の付け方だってそうだ。ライトもソーダライトって宝石から付けられてるだろ」
たしかにそうだ。
ジェミニカは宝石から名前をつけることがほとんどだ。タイガ様はタイガーアイ。カイト様はユナカイト。フローラ様はフローライトらしい。
「ナッチメイルでは、海もしくは天体関連。
ネイコでは植物関連から名前をつける。
となると、鈴蘭は自分で植物から名前をつけたのは記憶喪失でも何かしら染み付いていた文化が影響しているのかもしれないな」
「! つまり、鈴蘭はネイコ出身!?」
「可能性は大きい。」
これは大きな一歩だ。
鈴蘭の記憶喪失前のことはあまり記述がない。真相に近づくために必要な手がかりはたくさんあった方がいいし。
「この城にもネイコ出身の人いるだろ。その人に話聞きにいったら?」
……えっと、ネイコ出身の人っていたっけ?
そんな戸惑いが顔に出ていたのか、結城は呆れたように頭を抑えた。
「考えろよ。……いるだろ、ユナカ第二王子の側近。
ノバラさんが」
名前に関しては、日本が太郎、アメリカはトムみたいな感じと同じです。




