プロローグ
大昔の人は夢を見た。
地平線の先には、いったい何があるのだろうか。
その先にはどんな世界が広がっているのだろうか。
大地を歩き、旅をして、その先に広がっていたのは
大きな、大きな海だった。
人は、大海原の先に夢を見るようになった。
昔の人は夢を見た。
水平線の先には、いったい何があるのだろうか。
その先にはどんな世界が広がっているのだろうか。
海の果て、その向こう側へ。
ひたすらに進んだ人類が見たのは、重力に縛られたまぁるい星の不思議だった。
地球は丸かった。
空の果ても、海の果ても、世界はどこまでも続いている。
ぐるぐる、ぐるぐる。
何週しても、どこまで行ってもそこは地球だった。
重力に縛られている限り、果てなどない。
だから人は、重力の鎖を振りほどいて飛ぶことにした。
空の向こうにあったのは、どこまでも広がるような、宇宙だった。
今の人は夢を見る。
宇宙の果ての、その先にはいったい何があるのだろうか。
どんな世界が広がっているのだろうか。
それは地の果てにあった大海原のような世界だろうか?
海の果ての先のように、くるっと回って一周してしまうのだろうか?
空の向こうに広がる宇宙のように、光という鎖の先には広い世界があるのだろうか?
未来の人は夢を知る。
宇宙の果ての、その先にあった世界とは――――――――
宇宙歴4000年。
人類は、宇宙を踏破した。