序章「出会い」
頭では物語は結構組み立てたりすることは中二病の一貫で結構あるんですがいざ文章に組み立てるとなると思ったより大変ですね…。
処女作で拙い文ではありますが、ぜひ目に止まったのなら読んで見て、そして評価をください。(辛口目で)
自分の良さを出して文に出来たらいいなと思います。
どうぞ宜しくおねがいします<(_ _)>
「めんどくさい」
「口にだすな」
ここ、ガラクタ山で魔導人形である俺、カルルは知り合いのオウルとともに仕事にきていた。仕事の内容は部品探し。まさにガラクタと形容するに相応しい鉄くずの塊があちらこちらに広がり、足元には地面が見えないこの場所から、いくつかあるネジを探すと言うものである。しかし、日も暮れてきてなお、俺らは目当ての部品を見つけられていなかった。
「だいたいさあ、こんな場所から特定の部品なんて見つかるわけなくない?俺はあのチビの性格を疑うね」
「黙っていろ。これ以上なにか喋ったら頭のなかにあるスピーカー引っこ抜くぞ。大人しく先生に従え。あと、その呼び方は先生に伝えとく」
「勘弁してくれ・・・俺はまだここ一部になりたくない・・・・・」
冗談抜きでアイツを怒らせたりなんてすれば明日にはこの景色と同化していそうだ。考えるだけで恐ろしい。
「なら手を動かすんだな。どのみち見つけられないとマシニクルに帰られないんだからな」
「へいへい」
しかし、このままでは埒が明かない。お話はここまでにしてオウルとは別の場所を探さなくては。いつまでも同じ場所を探していたらあいつが直接手を下さなくても錆びてガラクタ山のオブジェになってしまう。
「オウル、俺はもっと奥を調べてくる」
「了解、俺はこっちをまだ調べてるわ。そっちは頼んだ」
*
オウルと別れたあと、部品を探して歩きすぎたのかガラクタ山でもかなり奥の方まで来たようだ。ガラクタ山は他の人形たちも部品を探しに漁りにくることがある。(無論、特定のネジを探すなどという奇特なことをするのはそうそういないだろうが・・・)大体は鉄などを溶かし、そのインゴットで家などの建築に再利用するためだ。そのためか、さきほどまでいた辺りの地形はなだらかだった。しかし、この辺の地形はあまり探索が行き届いていないらしく、いたるところに廃材の山が積もっていた。
「無駄に積もりすぎだろ・・・登るのにも一苦労だな・・・もうネジなかったことにしようかな・・・」
とは言ってみたものの、諦めた場合どうなるかは目に見えてるのでとりあえず手を動かす。
それにしてもこの量の金属はなにに使われていたのだろうか。ガラクタ山は俺たち人形が目を覚ました時にはすでにあったはずだ。昔、聞いた話では俺ら魔導人形は作られた存在で、俺らの創造主は様々なものを造っていたと聞く。やはりこのガラクタの山はその創造主が生み出した物の成れの果てなのだろうか。そしてやがては俺もこのガラクタのようになるのだろうか・・・・・・。
「ん?」
考え事をしながら探索していると妙な場所に辿り着く。さっきまで続いていた廃材の床はなくなり、地面が覗いていた。
「ここだけ辺りと雰囲気が違う・・・他の人形がここらへんを漁ったのか?」
それも妙な話だ。ここまで探索してきたが、この剥き出しになった地面はうまい具合に山が影になっていて、ぎりぎりまで近づかないと気づかないほどだ。山は高く積まれており、手をつけられてないのだろう。もし、人形が漁ったという事はこの辺りになにかがあって、それをピンポイントで探しに来たということになる。しかし、ガラクタ山に材料を探しにくることは数あれど、「お宝」を探しにくる人形はそうそういない。マシニクルでそんな話は聞いたことなかった。
「なんでここだけ・・・」
しばらく、気になってこの辺をうろうろしていたが気がつくといつのまにか日は沈んでいた。気にはなるがそろそろ帰らないとマズイ。
「結局ネジ見つかんなかったなぁ・・・オウルが見つけてくれること祈るばかりだ・・・」
オウルには煽られるだろうがアイツにオウル共々ボコボコのされるよりはマシだ。少なくともどちらかがネジを見つけてれば機嫌はいいだろう。
もしオウルがネジを見つけてくれていたらどうやってオウルを説得して共通の手柄にしようか・・・などと考えていたためか、足が近くの廃材にひっかかり思いっきり蹴っ飛ばしてしまった。ゴンッという鈍い音が響く・・・・・・だけなら良かったのだが・・・。
「あ、やばい。これ崩れ
やたら高く積み上がっていたガラクタはふもとから崩れ、ガラクタは鉄くずの濁流と化した。気づいた時にはすでに体は流れに飲まれ、抵抗することは不可能だった。
*
必死にもがきながらなんとか上に覆い被さるガラクタをどけ、あたりを確認すると奇妙な場所にいた。
あたりは白一色の壁と床で天井はなく、空が見え、端にはさっきまでうんざりするほど見ていた鉄くずの山が見える。情報を整理すると、先程いた場所の地面の地下にはこのような空間があり、俺が飲まれたガラクタの濁流は地面をくずし、地下にあったこの場所まで流れてきたのだろう。
「しっかし、ここは一体なんなんだ?コンクリートでも鉄でもなさそうだが・・・」
壁や床は見たことのない材質でできている気がする。触ってみると不思議なことに触ったところから水色の線が枝分かれして分散していった。俺の記憶にこんな不可思議な現象を起こすものはない。魔導人形なら魔法の仕業と納得できるのだが。
「もしかしてこの床や壁自体が魔導石でできているのか・・・」
俺を含むすべての魔導人形は高密度のエネルギーを持つ魔導石をコアとして動いている。しかし、俺らを作った創造主もいない今、魔導石はどこで手に入るかもわからず、魔導人形は自らのコアのエネルギー切れを待つのみの生活を送っていたが・・・。
「これにはチビも驚くぞ」
アイツの驚く姿を見れると思うとすこし楽しくなってきた。もしかしたら少しあいつに対し優位にたてるかもしれない。
ノリノリの気分であたりの壁を探索していると妙な溝をみつけた。溝は縦にひろがっており、それが2本。床と天井まで伸びている。そっと触れてみると溝の間の壁はなくなり、そこには暗い空間が広がっていた。奥は闇に呑まれていて、よく見えない。
嫌な予感がした。もし俺の座右の銘を言うなら`めんどいことには関わらない`だ。この先には直感だが厄介事が待っている気がする。従うなら大人しく去るべきだ。しかし、俺は自分の好奇心を抑えられなかった。こういう性格だから面倒なことに関わらないようにしているのにまったく意味がない。
なかに入ると急にあたりが明るくなる。唐突に明るくなったためかカメラが光を処理しきれず、つい、腕で影を作ってしまった。そしてあらためて辺りを見回して驚愕した。
「なんだ・・・これ・・・」
目の前には液体のはいった半透明のカプセルがあり、その中にナニカが浮いていた。
カルルはまだ知らないだろうが、そのナニカは傍から見れば
人の少女だった。