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リア充もいいじゃん。  作者: 浅咲夏茶
第一章 プロローグ
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1-8 過去を思い返して

 あれは中学校時代の、確か中学校三年生の九月だった。


 俺はその時、生徒会に入っていた。ま、自分で言うのもなんだが、俺は一応学力は中学、高校共に、上から五番目以内には入っていた。つまり、成績は優秀だったわけだ。


 だが、態度面は非常に評価が悪かった。なぜかって? そりゃあ、厨二病たるもの、なんでそうなったか分かるだろう。……学校にコスプレしていったんだよ。


 ああ、哀れだよ。なんで学校にコスプレして行ったのかなど、今の俺には理解できんがな。なんとでも言うがいいさ。俺は『気の迷いだった』と今でも信じているのだがな。


 その時していったコスプレというのは、制服の上に黒い装備服、鋼色の剣に、白色のベースに赤の模様が刻まれた盾……確かそんな感じだったはずだ。


 当然俺は風紀委員会に止められたが、それを無視し、校内へと入った。結果、教室内では「あの優等生がコスプレしてきた」という風に大胆に取り上げられ、結果それがホームルーム前に教室に来た担任にバレて、結局校長室送りに。そうして最後、五日間の退学処分となった。


 ああ、あんな記憶思い出したくもない。ああ、恥ずかしい。



 でも、もう一度厨二病をやり直せるなら、俺はきっと「もういいです」と言うと思う。それはかなりの確率でそうなるのだと思う。


 と、俺の脳内では過去の黒歴史を振り返り終わった所で、今度は先程は見なかった様々な位置の本棚などを見ることにした。


 俺の位置から左斜め前の本棚には、ズラリと漫画が並んでいる。全年齢対象の健全な漫画から十八歳以上対象の際どい漫画まで、様々な漫画があった。


 そうして次に今の俺の位置から右の方には、ゲームソフトゾーンがあった。どうやら、後峠は、ゲームソフトの会社ごとに、ハードごとに区別しているようだ。


 そうしてまた右へいくと、そこはアダルトゲームの宝庫であった。まるでここがエロゲの宝箱のような感じで、本当にたくさんのアダルトゲームが置かれていた。


 そうしてまた右へ行くと、今度はテレビの後ろにポスターが貼られていた。テレビには、各ハード用のテレビとの接続コードがセットされており、いつでも接続や切断ができるようになっていた。


 そうしてまた右へ行くと、大体俺が半回転したところだった。そこには、二台のデスクトップパソコンと、一台のノートパソコンの計算台のパソコン、そしてそれを置く机と、様々なスマートフォン、携帯ゲーム機などが置かれていた。


 また右の方へ目線を移すと、今度は部屋の出入り用の扉を挟んで、今度は雑誌コーナーがあった。そこには、『雑誌』といっておきながら、新聞が置いてあったりした。


 そうして最後、今度そこにあったのは冷蔵庫、電子レンジ、四角い形をした何かだった。最後の四角い箱のような何かということに関しては一体それが何なのかは分からないが、きっといつか後峠が話してくれると信じていることにしよう。


 部屋を一周して、俺は一言こう言った。


「すごい部屋なんだね」


 それは褒めているようでもあるし、バカにしているようにもである、人によって捉え方が大きく異なってしまう台詞なのだ。


 後峠の方は、どうやら「プラス」の方で捉えてくれたらしく、大喜びした。


「ろくのん、ありがと……」

「……ろくのん?」


 なんか男子が、しかも本当に男らしい声を持つ奴が「のん」だとか、「たん」だとか使っていると、吐気がするのは何故だろうか。ま、後峠は親しみやすいように呼んでいるだけだし、別にいいのかもしれないが。


 ……ああ、そうだ。俺の名前を紹介し忘れていた。俺の名は『六宮英人』だ。二十三歳――これは冒頭で説明したっけか。特に好きなものもない。例え二次元でもだ。


 決め台詞は、「リア充爆発しろ」だ。これが俺の決め台詞だ。決め台詞だけで厨二病時代のあの記憶が蘇るが、それはもう、消し去ってしまいたい。


 とはいえ、俺はこの職場で働くことになった以上、志熊や後峠、その他お客さんの付き合いに応じてあげなきゃいけないんだろう。


 まあ、明日からどんな生活か来るのか楽しみだ。明日から本気出さねえとな。……出せるのかわけがわからなくなってくるけど。


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