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リア充もいいじゃん。  作者: 浅咲夏茶
第七章 エピローグ
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7-8 カップラーメン

 家の敷地内に入り、インターホンを押す。自転車から降りて板を持った。自転車のまま家に上がれるなんていうような家じゃないから、俺の家では少なくとも。


「ただいまー。美玲、木材の運搬、手伝って……」

「はぁ……。これ私が手伝ってもどうにもならない気がするけど……ま、いいか」

「ああ、助かるわ。じゃ、これお前一人でもってけ」

「……ざけんな! 誰だよ『運んで』って言ったの! 私は兄貴から『運ぶの手伝って』って言われただけなんですが……ね?」

「はぁ。冗談だよ。ネタにマジレスすんな、低能ゴミ女」

「そうですかぁーそうですかぁー」


 殴りたくなるが暴力はしたくなかった。だから俺は「はぁ」と一言ため息を付いておいて、俺の部屋の中まで俺のこの購入した板を共同で持っていった。「二人の共同作業」的な雰囲気にはならないが(そうもさせる気はないが)考えた俺が憎いのはなぜだろうか。


「さてと。運んだわけだが……お前は夕飯を作ってていいよ」

「うーんと……。兄貴に作って貰いたいかなぁ……なんてね。私もそこまでブラコンじゃないしさ。てか、絶対にブラコンなんかにならないんだから、私!」

「はいはい。とりあえず、何か作るけど何がいい?」

「カップラーメン」

「そんなんばっか食ってるからお前の胸は成長しないんだ。少しは栄養考えろバーカ」

「うるさいうるさいうるさいうるさーい!」


 おっと、某黒髪の少女が紅い髪の少女に変わるキャラに似ているな。いや、原作小説でこの台詞出てた気がする。いや、まさか今日は二つのアニメをパロネタに使うなんて……なんてこった。


 とりあえず俺の失言で俺は妹に殴られた。「ぐえ」なんて言える状況ではないわけだが、何で妹に毎日蹴られなきゃいけないのか苛立ってきた。


「とりあえず簡単に作れるやつでいいからさ……いや、やっぱ自分で作る」

「そうか。じゃあ、美玲お湯とかに気をつけろよ。あと、栄養も考え……」

「うるせ―――――――――――――――――――――――――――っ!」


 一応最後に妹を貶しておいてあげて、俺は自分の部屋へと戻る。疲れたとはいえ、まだ飯が食いたいわけじゃないし、職場で飯ばっかり作ってるとなんだか食いたくない。あんまりカップラーメンは食いたくなくなってくるんだ。確かにカップラーメンは旨いけど、健康的に見れば悪い方に入るだろう。


 俺は「妹をバカにしすぎたかも……」なんて思い始めたが、それは「何かの錯覚だろう」と勝手に解釈し、俺はそういう解釈のままにしておくことにした。


「今日も疲れたなぁ……」


 ポツリ一言吐き捨てるように。ベッドの上に仰向けで横になった。横になってすぐに、俺は睡魔に襲われた。ぐーぐー、と鼾をかきそうなくらいまではいかなかったがとてつもなくだらしない格好で横になって目を閉じて身体を休めようとしていた。


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