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リア充もいいじゃん。  作者: 浅咲夏茶
第七章 エピローグ
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7-2 素材回収

 午前九時。自転車でホームセンターへと到着したわけだ。ドアが壊されなければ、それといって修理代に俺の金を裁く必要もなかったろうに、俺は修理代を払わなくてはいけなくなったのだ。「返せ」と言ってやりたいものであるが、そこは兄だ。大きな心で見よう。


「―――はぁ。やっぱり美玲にはキツく兄として怒っとくべきなのかなぁ……」


 そう思った。これ以上俺の部屋に悲劇が及ばないようにするため、そして俺の金がドア等の部屋の修理代だけで消えて無くならないようにするため。その二つが俺を襲ってこないようにするためにも、やっぱり妹にはキツく言うべきなのかもしれない。ただ、俺はヘタレ野郎だ。こう自分で認めているあたり、流石の俺、とでも言えるだろうか。


 ただ、実際は俺も治したいものだ。これ以上ヘタレでいるような自身もない。それこそ、ヘタレは自身とかで決めていいのかもさっぱり分からないが、ヘタレゆえに、攻略したヒロインからグサグサナイフで刺される訳にはいかないだろう。


 故に、作者が『この主人公はクズ野郎にしよう』だとか思わない限り、大抵の主人公はクズにならないはず……だ。が、最近は違う。なんだかんだ言ってヘタレ野郎とか鈍感の主人公が多い気がする。俺はそこまで鈍感なのか、そういったことは分からないが、少なくとも妹の話は聞き取れているし、難聴ではないだろう。


 と言ってもまぁ、恋愛小説というかラノベは主人公が鈍感じゃないと成り立たないのもあるしな。ヒロインが「実は私、●●●の事が……す……」みたいなことをいうシチュ(文章)が書けなくなるもんな。……何を語っているんだ俺は。


 ま、俺みたいな厨二非リアは確実に鈍感さを極めていないと思う。それこそ、エロゲとかギャルゲとかしていれば、大抵の作品がそういう主人公鈍感だとかいうのであれば、何となく後々の展開がわかる。


 が、俺はそういうのがあんまり好きじゃない。むしろ嫌いだ。何が鈍感だよ。お前に「非リア充は名乗る資格ないっての」って言葉をぶち吐けたいような奴らも、過去の俺のネット友達にいた。オフ会で会った人がイケメンで、周囲のヲタの女達はその男の方にすがっていった。そういうものだ。「寝取られた」という感触はない。


 ただ何かイライラしたのだ。ネットで「非リアですがよろしく」なんて書いているくせに、実際はイケメン。本当に苛ついた瞬間っだった。


 あれから俺は心がひん曲がった。自分など要らない、気持ち悪い。ネガティブ思考に鳴った。そして自分を失った。自分の性格を一から作りなおしていった。それが俺の大学入学前の春休みだった。それから俺はあんまりネガティブな思考ではない。要はポジティブだ。


 けれど、友達は出来なかった。所詮人間は顔。顔が悪ければ話にならない。顔も悪く、貧乏ならどうにもならないだろう。


 だから俺は大学を卒業した日思った。「一生働かない」と。久しぶりにねじ曲がっていた頃の俺の心が戻った気がしたが、実質そういうわけでもなく、すぐに「やっぱ働くべきだな」と思い立って来たのだ。そして、俺は今に至る。


 厨二病で友達は出来ず、オフ会やればイケメンに会ってバカにされたような気分になるし、働かないでいるわけにも行かなくなったし、そういうものだ。俺は本当に動かされ、振り回されやすいんだろう、と今日此の頃思った。


 ふとため息をついて木材を見る。今まで自分の事、そして「アニメなどについて感想を述べ、自虐してきたわけだが、今からは木材を慎重に選ばないと」と俺は思い返り、木材を見て適当な素材を集めていった。


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