3-2 遊園地行き、確定。
朝九時。俺は玲香と共に洋食店へ行く、はずだった。しかしこの時になんと、後峠が俺の家に突撃してきた。さすがの俺も、これに関してはとてもびっくりした。
「……ななな、何しに来たんだ?」
「くっ。なんで俺はこうやって……。お前はいいよな、女二人相手にあんなことやこんなことをさせられるんだからな!」
「な、何をぼざいているんだ! これでも大変なんだぞ!」
「うっせえ! リア充爆発しろ! 溶けろ! 蒸発しろ!」
なんて酷い台詞なんだ。ここまで耳に嫌々くるセリフを聞くのは久しぶりだ。俺は耐久が良くついていなかったらしく、ほんの数秒で頭が痛くなってきた。
「といっているが、ここで一つ、。あのだな……」
「なんだ、後峠?」
後峠は、俺の耳に口を近づけるとこんなことを話してきた。
「六宮よ。俺は今、『遊園地無料パス』というものを持っているんだが、生憎俺は二次元にしか興味が無いから、使えないんだ。だから、これを使ってくれんか? 一応二人分あるから、彼女とイチャイチャしてこい。そして末永く爆発しろ」
そう言い終わると、後峠は、俺に『遊園地無料パス』などという、意味不明なパスポートのようなカードを俺に渡した。
「いい経験するんだぞ、あばよ! 俺は先にこつ研に行ってるから。じゃ」
「お、おいこら、待て……」
俺の止めを聞かずに、後峠は、笑顔で去っていった。
「何……その券?」
「これは、『遊園地無料パス』とか言うやつで、二人分あるのだが、一体どうするべきだ?」
「玲香さんと行ってきなよ、兄貴」
「お前はいいのか?」
「わ、私は勉強があるし? それに何? あんたシスコンなわけ? キモ」
うるせえよ。というか、もう俺の前でその発言はするな。というか、もういっそのこと黙っていろ。こっちが迷惑だ。
「じゃ玲香に聞く。行くか?」
「いや、そこは『じゃ、何時行くか』って聞くでしょ」
「今でしょ!」
「……うわ」
「な、なんだよ!」
「特になんでもない。ほら、行くよ」
「え、ええ……」
俺は、強引にも引っ張られながら、玲香の後をついていった。
それにしても、さっきのあの台詞は言っちゃいけなかったのかな……?




