2-1 二日目のスタート
太陽が眩しい。気がつけば朝になっていたようだ。三秒しか寝ていないんじゃないかと思うくらい早い睡眠――裏を返せば、快適な睡眠だった。何故そんなことを思ったのかは分からないが。
でも、いい居眠りをするといい気分になるものだ。背筋を伸ばして疲れを取るような姿勢を取ると、それから支度を色々として、志熊の居る洋食店へと俺は向かった。
「さて、六宮くん」
「な、なんですか?」
俺は、志熊に聞きかえした。
志熊は、笑顔を見せ、「なんでもないや」と答えた。……そうなるんだったら最初からそうしろ、全く。
「今日も暇だから本でも読んでますか」
「ああ」
なんとなく、俺はうかれない表情だった。なにせ、両親はあの少年に殺害された。そしてあの少年はもうここにはいない。だから、後で警察から電話がかかってくるかもしれないし、それ以前に父親と母親のために葬儀をしなければいけない。
だから俺は、あまりうかれていなかった。
「大丈夫? 機嫌悪いみたいだけど……」
「大丈夫です。さ、本でも読みましょう」
俺は作り笑いを見せて、本を読もうと志熊の肩を押した。
志熊は少し動揺していたが、察したのか、すぐに動揺しなくなった。




