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煩いと言われる筋合いはない

 「はいはい皆、あんまり皇を困らせてやるな。そんなにいっぺんに聞かなくてもいいだろう。それにほら、そろそろ授業が始まる。席についてくれ」



 「なになにになに!?鷹鷺君と皇さんってやっぱり呼び捨てができる仲なの!?」



 やっぱりってなんだやっぱりって。

 僕と皇は完全な赤の他人だ。

 ただ単に所見から罵倒されたからこいつに対しては親切に接する必要性がないと判断したまでだ。

 ……何度言わせれば気が済むんだ。



 「お~流石委員長さんは真面目ですねぇ。こんなに可愛い娘が転入してきたっていうのに無関心を貫いて仕事に徹するのは中々難しいと思うよ。流石鷹鷺君♪」



 「うるさい。放っておいてくれ」



 「いや、一見そういうふうい繕っておいて皇さんのポイントを上げようとする作戦では!?」



 「……表に出ろ貴様」



 「冗談!冗談ですぞ!せ、拙者はこれにてごめん!」



 ……ったく、いつの時代の喋り方だ。

 


 「もう皆、席につこう。お前らの相手をするのも疲れてきたんだが」



 「「「は~い」」」



 また後でね~と言いながら席につき始める。

 とりあえずこの時間はどうにかなったか。

 これがしばらく続くと思うと先が思いやられるな……



 「くっくっくっ……!委員長も大変だなぁ」



 「はぁ……もう。これからの事を考えると怒る気力もない……。お前もやってみるか?」



 「冗談。面倒なのはお前にまかせるぜ。頑張ってくれ。委員長」



 崇夜はこのクラスの委員長を任される立場にあった。

 崇夜自身が自ら立候補したのではなく、クラスの皆の推薦によりそれは決定した。

 初めはなんで僕が?

 と、考えていた崇夜であったがそれには碧玲が大きく関わっている。

 崇夜は基本誰に対しても冷たい態度で接することで知られている人物だった。

 それが故に到底委員長を任せられるような人ではなかったし、今みたいに気軽に話かけられるような空気を出している人でもなかった。

 それを変えたのは崇夜が持つ、本当に気を許して話をすることのできる親友の1人の碧玲だ。

 碧玲は崇夜のいいところを沢山知っていた。

 人のことをちゃんと見てくれる所や、困った時には手を差し伸べてくれるなど、例を挙げればきりがない程に。

 だからこそ、それを隠して皆と接する崇夜を見ていてとても歯がゆかった。

 そこで碧玲は自分が話す人に崇夜の魅力を話していった。

 碧玲は崇夜とは対照的にとても交友範囲の広い人気者だ。

 だから、崇夜の話が皆に広まるのには対して時間はかからなかったし、崇夜に対する簡単な誤解もすぐに解けた。

 その結果がこれなのである。

 ……勿論崇夜はこのことを知らないのだが。



 「……なんでもっと早くに助けてくれなかったのよ」



 玖来が崇夜に冷たい目を向ける。



 「出会い頭から人を罵倒してくれた人を[あーあー転校初日から大変でちゅねー助けてあげまちょうかー]とでも思うと思ったか?」



 「ばっ、馬鹿にしておるのかっ!?」



 「ん?」


 

 なんかえらく古い言葉遣いにならなかったか今?



 「あ、いや……煩い!死ね!」



 「僕何も言ってないんだけど!?」



 またしても浴びせられた罵倒に憤りを感じる崇夜。

 こいつとは本当に仲良くしなければならないのだろうか?

 ……と考えた所で考えるのを止めた。

 今はまだ初めての場所に不安を感じているのかもしれない。

 他の人とどう接っすればいいのか分からないのかもしれない。

 そういう思いが皇の中にあるかもしれないと考えたからだ。

 勿論現状皇に対する印象が最悪なのは変わらない。

 でも、自分が委員長だという責任感と先生に任されたという責任感からそれを投げ出すという選択はすでに崇夜の中になかった。

 これからどう接して打ち解けようか?

 そんなことを考えて過ごすうちに今日の授業は終了していた。



 ☆★☆★☆



 「皇」



 「何?話かけないで」



 朝から変わらない調子で崇夜の言葉を遮る。



 「断る」



 「は?」



 「自己紹介が遅れたな。僕はこのクラスの委員長を勤めている。だからお前をクラスになじませてやる義務がある」



 「何それ。別にあなたに頼らなくても何も問題はないわ。私が何もしなくても他の人は私に近寄って来てくれるし、私のことを沢山知ろうとしてくれる。これにどんな問題が?」



 そう。

 僕はそれが一番気になっていた。

 確かに皇は今日一日中皆から[質問攻め]にされてはいた。

 けれどもそれは質問をされているだけで、友達同士の会話ではなかった。

 今の皇の人気はあくまで転入生だからということに過ぎない。

 もしこのまま今の立場に甘えていたらいかに僕らのクラスが来るものを歓迎するといってもどこかで必ず飽きが来る。

 もしそうなれば皇は完全にとはならないだろうが、軽く孤立はしてしまうだろう。

 僕としてはそれは断固として拒否させたい。

 僕はともかく、他の人が一人でいるのを見るのは嫌だ。

 だから僕は提案してやる。



 「簡単なことだ。今のお前は一時的な人気に胡坐をかいて調子にのっているだけだ。このままだとそのうち孤立するはめになるぞ。……流石にそれは嫌だろう?」



 「む、むぅ……そうなのか?」



 「絶対とは言えないがな。だが確率は高いだろう」



 

 

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