8話目
遅れてすいませんでした。
気絶から目覚めたシャルロットは、意外にも小次郎を恨んだりはしていないようだった。
普段は命を賭けて戦うのが騎士なのだから、恥をかくくらいなんともないのだと笑ってみせる。
「本気を出せた戦いができて、むしろ嬉しかったわ」
恥を晒した直後であるにもかかわらず、爽やかにそう言い放つシャルロットの姿は、不思議な気品と華やかさに満ちていた。
その美しい姿に、観衆たちはシャルロットへの敬愛を一層高めることになる。
勇者と姫騎士の戦いは、双方の名を上げるものだったのだ。
「小次郎クン。今夜の晩餐会に招待するから、お腹空かせていらっしゃい」
目を覚ました小次郎に、シャルロットはにこやかに微笑みかける。
トイレに連れ込まれた時は怖がっていたはずだが、爆発から守ってもらって怖い人じゃないと考え直したか、小次郎は普通に頷いていた。
「それじゃあライラ、あとは任せるわ」
そう言って、シャルロットは颯爽と修練場を後にする。
ぼぅっとそれを見送った小次郎が、ライラの方を振り向いた。
「決闘はどうなったの? 僕どうして寝てたの?」
どうやら爆発の衝撃で記憶をなくしていただけらしい。
「決闘は引き分けだ。凄まじい戦いだった。
どうやら最後は朦朧としながら戦っていたようだな。小次郎は終わった後に疲れ果てて気絶したんだ
おそらく思い出そうとしても無駄だろうな」
記憶が戻ったら小次郎はシャルロットを怖がるかもしれない。
そう考え、ライラは嘘をつくことに決めた。これは必要な嘘だ。
「なんでマリリンお姉ちゃんも気絶してるの?」
トイレの前で未だ気絶したままのマリリンを指差し、再度小次郎が問いかけてくる。
「決闘の余波に巻き込まれたんだ。第三者まで巻き込まれるほどに、凄まじい戦いだったということだ」
納得したのか、小次郎はそうなんだ、と頷いてマリリンの元に駆け寄ってゆく。
マリリンとは後で話を合わせないとな、と考えながら、ライラも小次郎の後を追った。
晩餐の席には、ライラ達以外に王とシャルロット、そして見たことのない女が一人座っていた。
女は小次郎と同じ黒い髪と黒い瞳を持っており、豪奢な神官服を着こんでいる。年齢は十代後半くらいだろうか。
冷たい印象を与えるツリ目がちの瞳が、じっと小次郎を観察していた。
女の正体が気になったが、シャルロットに促され、ライラはマリリンたちの紹介を始めた。
「陛下、ご紹介いたします。こちらが、大賢者マーリンのご息女であるマリリンです。
残念ながら大賢者マーリンは半年前に逝去しておりましたが、マリリンは大賢者から知識を受け継いだとのことでしたので、連れて参りました」
「ご紹介にあずかりましたマリリンです。お見知り置きを」
晩餐会用のドレスを身に纏ったマリリンが、ライラの紹介を受けて優雅に挨拶する。
「大儀である」
鷹揚に王が頷いたが、女はマリリンには興味を示さなかった。
マリリンに一瞥すらすることなく、小次郎に視線を注ぎ続けている。
かなり失礼な態度だが、マリリンはどうやら女の正体がわかっているのか、気分を害した様子はなかった。
「こちらの少年の名は小次郎。異世界の女神の加護を受けており、予言の勇者ではないかと考え連れて参りました」
「小次郎です。よろしくお願いします」
ライラに紹介され、小次郎がぺこりと頭を下げる。
途端、王の言葉すら待たず、女がつかつかと小次郎に歩み寄ってきた。
無礼すぎる態度にライラはぎょっとするが、王もシャルロットも何も言わない。
「あなたが勇者だというのは本当ですの?」
小次郎の顔を見下ろしながら、女は疑わしげな様子で問いかけてくる。
威圧するような女の様子に、小次郎は怯えたように後ずさった。
それが女の気に障ったか、小次郎が下がった以上の距離を詰め、顔を近付ける。
睨みつけるように細められたツリ目が、小次郎の瞳を射抜いた。
「アリシア様、小次郎様は子供です。あまり怖がらせないでくださいませ」
あまりの目力に固まった小次郎を庇うように、マリリンが女に話しかける。
マリリンが呼んだ名前を聞いて、ようやくライラは女の正体がわかった。
アリシア=ファティマ。この名は、勇者が女神を救うとの予言を得た、聖女の名だ。
聖女は世俗を離れ教会にこもっており、その顔を知る者は高位の神官と王族のみである。ライラが知らないのも無理はなかった。
マリリンも本来は知っているはずがないのだが、神官服を着込んでいることと無礼な態度を王が咎めなかったことで推測したのだろう。
「怖がらせようなんて思っていませんわ。この子が勝手に怖がったんです。私は悪くありませんわ」
アリシアが反論する。その表情には、どこか戸惑うような色があった。
聖女として小さな頃からずっと教会にこもって過ごしていたためか、子供と接するのが苦手なのかもしれない。
小次郎も、アリシアに悪意があるわけではないことを察したか、返答する。
「勇者かどうかは分からないけど、異世界の女神様の加護を受けてるのは本当だよ」
その答えに、アリシアはツリ目を見開いた。
怖がらせる意図はないのかもしれないが、目力が強くて威圧感がありすぎる。また小次郎が気圧されたように後ずさった。
「どうして怖がりますの?」
ちょっと傷ついたようにアリシアが言った。
小次郎が怖がるのも分かるが、少しアリシアが可哀想でもある。
「まだ打ち解けていないのであろう。まずは親交を深めるべきだ。
今宵の晩餐は子供もおるゆえ無礼講とする。存分に語り合うがよい」
助け舟を出すように、王が言った。
晩餐会といえば公的なものだが、子供である小次郎に配慮したのか、礼儀作法を不要とする私的な食事会にしてくれたようだ。
王もシャルロットも、公的な場では王族として鷹揚な振る舞いをするが、私的な場では意外に気さくである。
「それじゃあ、食事を始めましょう!
アリシア、いつまでも小次郎クンを怖がらせてないで、席に着きなさい」
「怖がらせていませんわ!」
シャルロットが楽しげに声を発し、アリシアがすねたように返答する。
どうやら二人は仲がいいらしい。
アリシアと会話が出来るのは高位の神官か王族だけである。高位の神官のほとんどが高齢であることを考えれば、年が近く同性のシャルロットと仲がよくなるのも当然だろうか。
そう考えると、こうしてアリシアと共に晩餐会に出席するのは栄誉なことなのかもしれない。
騎士であるライラとしては、王族に対する忠誠の方が厚いために、王とシャルロットとの晩餐というだけで最上の栄誉を感じているのだが。
晩餐が始まり、ライラたちは雑談に興じる。
小次郎の世界がどのようなものか、という話題が特に盛り上がった。話し手に回ることで、小次郎も場に打ち解けてきたようだ。
しばらくの後、デザートが出てくる頃になって、ふとマリリンが口を開いた。
「そういえば、アリシア様がいらっしゃる教会は、たしか王都から数日はかかる場所であったと記憶していますが。
シャルロット様から小次郎様のことを聞いてからいらっしゃったわけではないのですよね?」
「ええ、別件ですわ。私の用件については、昨日すでに王に伝えてありますの」
アリシアが視線を送ると、王は真剣な表情になって頷いた。
「うむ、そうだな。晩餐も終わる頃であるし、そろそろこれからの話をすることにしよう。
まずは聖女殿、もう一度この場で昨夜の用件を伝えていただきたい。勇者である小次郎殿も、無関係ではないのだから」
真面目な話が始まると分かり、ライラは表情を引き締める。
小次郎も、名指しで自分に関係があるといわれたためだろう、真剣な表情になっている。
「では、改めてお伝えします。私がここに来た用件は1つ」
そこでアリシアは、わずかに間をとった。
「女神メルート様が封印された場所。それが判明したのですわ」
ライラは思わず息を呑んだ。
女神が封印された場所が判明した。それは、女神を救出する手がかりだ。
そして、女神を救うとの予言された勇者小次郎はここにいる。
「それはどこです?」
マリリンの問いに、アリシアはツリ目を見開いて答えた。
「トーレン山脈の最奥にある、魔王メイアナートの居城ですの」
トーレン山脈とは、リムンダール王国の北にある、非常に険しい山脈である。
草木一本生えない不毛の岩山であり、切り立った岩だらけで登山の熟練者ですら二の足を踏む場所だ。
凶暴な魔物たちが跳梁跋扈するうえ、登ったところで何も採取できないことから、今では誰も近づかない。
そんな場所に魔王の居城があり、ましてそこに女神が封印されているなど、おそらく誰も予想出来なかっただろう。
アリシアの話によれば、トーレン山脈に生息する魔物を調査するため、立ち寄った者がいたらしい。
その者がトーレン山脈に登ろうとすると、見えない壁のようなものがあって中に入れなかったそうだ。
その者は熱心な信者であり、報告を受けた教会が調べたところ、見えない壁のようなものは女神と魔王の力が入り混じったバリアであると判明した。
「つまり、魔王がメルート様を封印するためにバリアを張ったところ、メルート様も同じく魔王を封印するためバリアを張ったということですね。
女神と魔王の力が入り混じったせいで、非常に強力なバリアになってしまっていると」
トーレン山脈に張り巡らされたバリアは非常に強力なものであり、教会の者たちがどれだけ解こうとしても解けなかった。
教会は女神の力の専門家であるから、彼らが解けないのならば、正規の手段で解くことは他の誰にも無理である。
残る方法はただ一つ。物理的な衝撃でバリアを割ってしまうという手段だけだ。
「教会にはそれほどの物理的な衝撃を与える手段はありませんわ。
そこで、王国を頼ったんですの」
アリシアはそこでシャルロットに視線をやった。頷いて、シャルロットが口を開く。
「でも、教会が計算したバリアを割るために必要な力は、騎士団全員が10年休まずにたたき続けないと出ないくらいの力なのよ。
当然だけど、現実的じゃないわよね」
「そこで、勇者の出番というわけですわ。小次郎さんの奇跡は、バリアを割れるような奇跡ですの?」
そう問われ、小次郎は首を傾げる。
ライラも小次郎の奇跡がバリアを割れるかと問われれば、首を傾げざるを得ない。
カンチョーでバリアが割れるだろうか? バリアに肛門でもあれば別だろうが、さすがにバリアに肛門はないだろう。
「破れますよ」
二人で首を傾げていると、マリリンが自信ありげに答えた。
まさか何の根拠もなく言っているわけではないだろう。さすがは大賢者の娘だと感心する。
「できるの? 小次郎クンの奇跡は確かにすごいけど、バリアを割るようなものじゃなかったと思うけど」
シャルロットの問いに、マリリンはにこりと笑って答えた。
「簡単ですよ。アリシア様に光の速さでうんこしていただきましょう」
「はい?」
名指しで妙なことを言われたアリシアが、間の抜けた声を出した。
「ちょっとよく聞こえませんでしたわ」
「アリシア様に光の速さでうんこしていただき、そのうんこをバリアにぶつければよいのです。
物をぶつけたときの破壊力は、ぶつけた物の質量と、ぶつかった速さで決まります。
光の速さでうんこをぶつければ、バリアなど紙のように破ることができるでしょう」
「この人、頭大丈夫ですの?」
アリシアが困ったような視線を向けてくるが、ライラは目をそらした。
残念だがマリリンは正気だ。そして本気だ。
「なるほどね」
納得したようにうなずくシャルロットに、アリシアはギョッとした顔をする。
「ちょっと! シャルロットも納得しないでくださいまし!
光の速さで、その……するなんて、出来るはずがありませんわ!」
「小次郎クンの奇跡なら可能なんじゃないかしら?」
アリシアがキッと小次郎を見据える。
「どういうことですの!? 小次郎さんの奇跡とはいったいどういうものですの?」
睨み付けるような視線を向けられ、小次郎は肩をすくめた。
「僕はカンチョーで奇跡を起こして、人を幸せにすることができるんだ」
「できるはずないじゃありませんか!」
即座に否定され、小次郎がしゅんと肩を落とす。どうもアリシアに苦手意識があるらしい。
「聖女殿、小次郎がカンチョーによって奇跡を起こせるのは確かなことだ。
信じられない気持ちも十分にわかるが」
しょんぼりした小次郎が可哀想になり、ライラは弁護した。
カンチョー賛成派が増えたためだろうか、アリシアが露骨に慌てだす。
「そうよ。私も、昼に小次郎クンと決闘してこの身で体験したわ。
このシャルロットが、小次郎クンの奇跡を保証するわ」
シャルロットにダメ押しされ、アリシアはがっくりと肩を落とした。
それでも、最後の救いを求めて王へと顔を向ける。実際、王は小次郎のカンチョーを受けたことがないため、この中では常識派に属するだろう。
アリシアの視線を受け、王はゆっくりと頷いた。
「うむ、そういうことなら早速トーレン山脈への馬車を用意させよう。
最新のものを使ってよいぞ。なに、数日もあれば着くであろう」
たとえ信じられないような事態であっても、合理的に考えて判断を下すのが王の役目である。
騎士のライラ、大賢者の娘であるマリリン、そして騎士団長であり、なにより王の娘であるシャルロットが保証したカンチョーの奇跡。
王は常識よりも人を信じたのだ。
「そんな……」
最後の希望に裏切られ、アリシアはテーブルに崩れ落ちた。
数日後、ライラたちはトーレン山脈に到着していた。
主となるメンバーはライラ、小次郎、マリリン、そしてアリシアである。
シャルロット率いる騎士団と、教会から派遣された僧侶兵団が、護衛として同伴されている。
アリシアはここに来るまで散々ごねていたが、結局作戦が変わることはなかった。
「どうして私がやらなければなりませんの? 他の方でもよろしいじゃありませんか!」
諦めきれないといったアリシアの文句に、マリリンがなだめるように答える。
「小次郎様の奇跡だけでは、さすがに光の速さは出せません。
だから聖女様の信仰の力を利用しなければならないのです」
「信仰とおっしゃいますけど、小次郎さんの奇跡はそもそもメルート様ではなく、異世界の女神様の加護のおかげでしょう?
私のメルート様への信仰は関係ないのでは?」
もっともな反論だったが、マリリンは首を振って否定した。
「違います。ここでいう信仰は、メルート様への信仰ではなく、聖女様自身への信仰です。
もっというなら、『聖女様がうんこなんてするはずがない』という、信者たちの願いの力です」
「ちょっと! どういうことですの!?」
すごい理論を語りだしたマリリンに、アリシアは悲鳴のような声を上げて問い詰める。
マリリンはきらりと瞳を光らせた。
「説明しましょう! 光の速さでうんこするには、光の力を借りねばなりません。
そのためには、うんこを光らせる必要があります。そこで、信者の願いを利用するのです。
『聖女様がうんこなんてするはずがない』という信仰。これが否定されれば、信者たちは不幸になります。
しかし、小次郎様のカンチョーは人を幸せにするカンチョーです。信者たち不幸を否定するため、聖女様のうんこは光り輝きます!」
「どういうことですの!?」
本当にどういうことなのだろう。
マリリンがドヤ顔で説明しているが、アリシアは納得していないようだし、ライラもまったくわからない。
「つまりこういうことです。
聖女様がうんこなんてするはずがない。でもお尻の穴から何か出てきた。あれは見えてはいけないものだ。それなら光で隠せばいいんだ! という願いがうんこを輝かせるのです。
要するに、大人の男性が読む卑猥な本の挿絵の、見えちゃいけない部分が不自然な光で隠されるアレです」
わかりやすいようなわかりにくいような説明である。
「どういうことですのぉぉ!?」
アリシアがオウムのように同じ言葉を繰り返しているが、無理もないなとライラは同情した。
バリアから100メートルほど離れた場所で、アリシアが四つんばいになっていた。その顔には、どこか諦めの色が漂っている。
「準備はよろしいですか?」
「よろしいわけありませんわ」
「よろしいようですね」
マリリンとアリシアがコントのような掛け合いをしているが、周囲の者は誰も笑わなかった。
その場には、ライラたちのほか、騎士団と僧侶兵たちが勢揃いしている。
聖女への信仰の力を引き出すためだそうだが、まるで公開処刑のようだ。
「あの、せめて皆がいない場所でしたいのですが……」
「ダメです。信者が見ていなければ、見えてはいけないものが光りません。
大丈夫ですよ、姫様もライラ様も、もっと酷い醜態を晒していますから」
「慰めになりませんわ!」
シャルロットは騎士や兵の前で、ライラは村人やゴブリンの前で、それぞれ公開脱糞を行っている。
なお、一番被害を受けていないのがマリリンだ。なんだかずるいように思える。
「あの、やっぱり私……」
怖気づいたアリシアの弱弱しい声をさえぎる様に、マリリンがことさら元気に声を上げた。
「はい、それでは覚悟も出来たようですので、張り切ってまいりましょう!
小次郎様、どうぞ!」
その声が響くと同時に、小次郎がアリシアの尻の前に現れる。
「光よ!」
なにやら格好良いことを言いながら、小次郎が両指をアリシアの肛門に突き入れた。
「んきゃああああああっっっ!!!」
アリシアが悲鳴を上げる。
さっと小次郎が身を翻すと、アリシアの腹から奇妙な音が鳴り響いた。
グルグルグルグル!
大腸が活発な活動を開始した音だ。アリシアの大腸は、うんこを排出しようと恐ろしい勢いで蠢いている。
「はぐぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
猛烈な便意に襲われているのだろう。アリシアは苦悶の声を上げた。
だが、まだ耐えている。聖女として今まで生きてきたプライドが、人前での排泄を拒絶しているのだ。
便意と戦うアリシアの隣で、マリリンが能天気な声を上げた。
「僧侶兵の皆さーん! 聖女様はうんこするとおもいますか!?」
投げかけられた問いに、僧侶兵たちは戸惑うように顔を見合わせる。
その中の一人が、怒気を孕んだ声で返した。
「愚問である! 我らの聖女様がうんこなどするはずがない!!」
明確な答えに、僧侶兵たちから次々と賛同の声が飛ぶ。
「そうだ!」
「そのとおりだ!!」
「聖女様はうんこなんてしない!!」
計算通りだ、とばかりにマリリンが得意そうに笑った。
僧侶兵たちは信仰している。女神メルートを、そしてメルートに仕える清廉な聖女を。
清廉な聖女が、汚いうんこなどするはずがない。
それは何よりも尊い、純粋な信仰心だ。
彼らの信仰心が集まり、奇跡としてアリシアの肛門に流れ込んでゆく。
アリシアの肛門が、眩い光に包まれた。
「なんですの? どうなってるんですの!?」
戸惑うアリシア。自分の尻が光り輝いているのだから無理もない。
四つんばいになり、尻から光をあふれさせるアリシアの姿は、まるで後光を背負っているかのように神秘的だった。
「おお……聖女様が……!」
「聖女様が輝いておられる!」
「聖女様の尻は奇跡の尻だ!」
その姿に僧侶兵たちが熱狂し、高まる信仰心がますますアリシアの肛門を輝かせる。
もはや目をあけていられないほどに眩しい。
「聖女様、今です!! 全てのうんこを光に変えて、発射してください!!」
「もうどうにでもなれですわぁ!」
マリリンの合図に、アリシアが神官服と下穿きを引き摺り下ろした。
ブリッッッ!!
一瞬だけ、排泄音が響いた気がしたが、すぐに何も聞こえなくなる。
そして、世界は真っ白な光に包まれた。
次の話がエピローグで、完結となります。
明日か明後日には投稿できるかと。