94 ある日の組み手
-side 狒狒丸 -
今日の武術の訓練は武丸との組み手である。
「行くぞ狒狒丸」
武丸が凄い勢いで正面から突っ込んでくる。
「(ちぃ、兄なんだから手加減しろよ。)」
記憶を取り戻してからしばらくして武丸は狒狒丸に全然手加減をしなくなった。
「(ゲームでコテンパンに負かしたからって大人げない。)」
・・・7歳の子供をコテンパンに負かした方が大人げないとは思うが。
力も早さも武丸の方が上なので、狒狒丸は防御に徹して膠着状態に持ち込む。
「ここだぁ!」
狒狒丸が見せた誘いの隙に武丸が打ち込む。
「はっ。」
狒狒丸の竹刀が武丸の方に打ち込まれた。
「ぐぅ。」
「狒狒丸の勝ち。」
「くそ~。」
「しかし、狒狒丸は流石だな。隙を見せて相手を誘うとはな。」
「それを言うなら武丸は早さも力も群を抜いてるで~。白銀はんの防御魔法を二人にかけてなかったら怖くて撃ち合いやさせれんわ。」
「(つうか、兄さんの魔力が凄いんですけど・・・あんなにバカスカ肉体強化に使っていてもアッという間に回復している。しかも最大魔力も伸びているし・・・)」
「武丸は魔力の使い方を学ばんといかんな・・・回復量が桁違いだが、あんな非効率な使い方をしていたら幾ら有っても足りんぞ。」
「まあ、最大魔力の特訓にもなってるみたいやし、ボチボチで良いんちゃう?もう、イチローはんを越えてるやろ。」
「だからと言ってもな・・・」
「それよりも狒狒丸!あんた相手をはめる事ばっかり覚えて・・・基礎をサボっているんバレバレやで!」
「げっ」
「ランニングと素振りの追加だな。」




