90 リストバンドを外しました
シルヴァ、ブルネット、紅音、白銀、黒姫、武丸、狒狒丸が一同に揃う。
「武丸は白銀母さんと遊んでおいで。」
「イヤだ!僕も狒狒丸に付いてる。」
「たけにいと、いっしょにいる!」
「すまない。まさか、今からリストバンドを外すとは思っていなかったので、連れてきてしまった。」
「いや白銀、急に決めた俺が悪かった。分かった、武丸も狒狒丸を力づけてくれるか?」
「はい!絶対狒狒丸を助けます。」
「それでは、リストバンドを外すぞ。狒狒丸は布団に横になるのじゃ。」
「はい。おかあしゃん、てをつないでもらってもいい?(はい。お母さん、手を繋いで貰っても良い?)」
「・・・うん、絶対大丈夫やからな。父さんと母さんを信じて任しとき。」
「うん」
「では、解除」
狒狒丸の腕に着けられたリストバンドが微かに光るとスルッと腕から抜けた。
「あっ」
狒狒丸は小さな声をあげると黒姫の手をギュッと握って、その後すぐ気を失った。
「心配するでない。脳に急速に情報が入ってきたので処理しきれなくなっただけじゃ。」
「全然大丈夫じゃないじゃないか!」
「安心せい。子供の脳は柔軟じゃ。一週間もせんうちに起きる。それまではウトウトしている状況じゃから砂糖を溶かした水を飲まして清潔にしておけばよい。」
「記憶は、意識はどうなるんだ」
「魔力の流れ等を視ると良好じゃ。今の狒狒丸が夢を見る形で前世の記憶を認識するのか、狒狒丸の前世が意識の続きとして今の記憶を認識するのかは判らんが統合するはずじゃ。
二つの意識が残る形にはならんじゃろ。」
「分かりましたわ。それでは、皆で手分けして狒狒丸の世話を・・」
「そう言って貰えるんはありがたいんやけどな、狒狒丸の世話はうちにさせて欲しいねん。」
「でも、一週間も・・」
「頼むわ。」
「・・・・・」
「父親として俺が手伝うのは良いだろ?」
「僕も兄だから。」
「・・・ありがとう。ほな、イチローと武丸には手伝って貰うわな。」




