81 美猴現る
「シルヴァ、央華の魔王の使者が来たと聞いたが本当か?」
「うむ。美猴という者が訪ねてきておる。」
「もしかして、同僚は牛魔とか・・・。」
「その通りじゃ。他にも蛟魔、鵬魔、獅駝が居るぞ。ちなみに獼猴は追放され禺狨は既に戦で死んでおる。」
「・・・まあ、名前は置いておくとして、なんで東夷に来たんだ?」
「以前話をしたと思うが、猛虎王国が魔王国の東、我々の西にある。挟み撃ちにしようという提案じゃ。
魔王軍が戦をするときに、我々が西大島北部に軍を集めるだけで猛虎王への牽制になるからの。
ま、まずは本人に会ってからじゃ。着いたようじゃからの。」
「いや~、どうもどうも。美猴にございます。東夷国王のご尊顔を拝したてまつり・・。」
「くだらん形式は良い。そもそも「どうもどうも」で破綻しておる。」
「いや~、見てのとおり猿の獣人の出でしてね、礼儀については・・・そう言っていただけると助かります。」
「早速じゃが、今回の話とはなんじゃ?魔王に味方せいということか?」
「まあ、そうなるんですけどね。一度、殿に会っていただけないかということでして・・・組むにしても気が合う面子で組まないと上手いこといきません。場所を指定していただければなるべく沿わせていただきます。」
「会うだけで良いのか?」
「凄い自信じゃの。」
「いや、あたしで口説いてダメならまだしも、殿が口説いてダメなら誰が口説いてもダメだろうと・・・後、会っていただいた後ならあたしの責任になりませんしね。
あたしを助けると思って、一度会っていただけませんかね。
心配ならば、あたしは此処に人質として残りますし。」
「・・・良いじゃろう。時間と場所については後で詰めるとしよう。下がって良いぞ」
美猴が下がった後、シルヴァを問いつめる。
「おい、俺のことを勝手に決めるなよ!・・・まあ、シルヴァが必要と思ったのなら、判断に従うけどさ・・・。」
「従うのならば問題あるまい。子供も産まれたことだし、お主が多少危険でもそうそう心配が無いのでな。」
「をい、俺が危険というのがメチャメチャ心配なんですけど・・・」
「冗談じゃ。」
「・・・(絶対冗談じゃなかったよね。)」




