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80 央華乱れる
-side 東夷(一年後) -
「よぉ、戻ったぜ。」
「藍華か・・・央華はどうじゃった?」
「ひでぇもんだ。各地で豪族が好き勝手やっていやがる。」
「天下を取りそうな者は居るのか?」
「それぞれは勢力を伸ばすことを考えているだけで、天下を取って皇帝になろうってやつはいねぇな。」
「大きな勢力は?」
「目に付くのは北の白馬王、東の猛虎王、西の暴竜王。後は漂流王、魔王あたりだな。」
「漂流王に魔王じゃと?」
「漂流王は暗殺された皇帝の隠し子を称し、貴族と一緒に各地を放浪して豪族に寄生して暮らしている野郎だ。こいつが天下を取ることはねぇと思うが、看板として利用するやつがいるかもしれねぇ。
魔王は流通を重視して商人の支持を得ている。金で傭兵を雇って勢力を伸ばしていやがる・・・一年中、戦を仕掛けて食いついた国を確実に物にしているんだ。」
「ふむ・・・すまぬが、情報収集を続けてもらえるか?」
「あぁ、任しておけ。」
「ところで、まだ剣妃としての義務を果たす気になれんかの?」
「・・・悪いヤツではねぇんだがな・・・もう少し頼りにならねぇとな。まぁ、あんだけ真面目に訓練をしていりゃ~その内、形になるだろ」
「王として頼りになるというのは違うと思うんじゃがな・・・」




