74 皇帝暗殺
白銀が出産してから、一ヶ月が経っている。・・・あの時は大変だった、陣痛が来た白銀の腰を12時間近くさすったり、破水した後、部屋の外で1時間近く待ったり(もっと短かったという話だが、体感した時間はそのぐらいだった)
だが、みんなのお陰で元気な男の子が産まれ、母子共に健康で赤ちゃんはスクスク育っている。
「よぉ、イチロー、元気にしてるか?」
「ん?藍華じゃないか!何処に行っていたんだ。」
「あぁ、ちょっと西大島に央華の情報収集にな。」
「なんか有ったのか?」
「どうやら、皇帝が暗殺されたらしい。」
「なんだって!」
「あぁ、2度も大戦に負けて不安になったらしい。有力な家の当主を自分の友人の当主の弟や、愛人になった従兄弟に取り替えて引き締めを行ったらしい。馬鹿な話だ。」
「馬鹿な?」
「当たり前だ。そんな締め付けをしたら反発が大きい。東夷が攻め込まないのは判っているんだから放っておけば良いんだ。
結局、不安になったレッドオーク家に暗殺されて、レッドオーク家も他の家に攻め滅ぼされて・・・今度はレッドオーク家の領地と利権を争って戦が起こり、利害が対立して皇帝も定まらず内乱に注ぐ内乱がおこってグチャグチャだ」
「気になるか?」
「気にならないと言ったら嘘になるが・・・まぁ、シケた話はこのぐらいにしておこうや。
ところで、産まれたらしいな。」
「あぁ、黒目黒髪の白銀そっくりな美形だ。」
「胸の真ん中にアザがあるんだって?」
「シルヴァが言うことには、東夷の土地に愛された証らしい。」
「そりゃあ良い。王には最適だな。幼名はなんて付けたんだ?」
「ああ、武丸にした。母親が阿修羅王だからな、羅王とか修羅丸とか考えたんだが白銀に却下されたよ。」
「はは、子供のことは結局、母親の意見が通るもんだ。諦めろ。」
「幼名は良いが、なかなか赤ちゃんを抱かせてもくれないんだぜ・・・ブルネットと白銀で手が足りてると言われてな。」
「それなら、イチローは暇だよな!よし、俺が鍛えてやるよ。修行ってものは絶対に自分を裏切らねぇ、今から行こうぜ。」
「・・・(しまった、しくじった)」




