4 説明2
今、俺は「居候」をしながら、この世界のことを学んでいる。
召還が出来る異世界は、比較的似ている異世界であるらしく、地図を見せてもらうと元の世界地図とほぼ同じである。今、この地図を見ながら、少女にいろいろ教えてもらっているところである。
「この地図の中央にある国が央華といい世界の中心なのじゃ。央華国の東に有る島国が我らがおる国で青竜国、南が朱雀国、西が白虎国、北が玄武国となる。」
ふむふむ、中国と同じ場所にあるのが央華国、日本が「青竜」、東南アジア、インド、アフリカが「朱雀」、アラビア半島、ヨーロッパが「白虎」、ロシアが「玄武」となるわけね。あれ、含まれていない地域もあるし、南北アメリカ大陸も無いな。ジャガイモ、サツマイモもアメリカ大陸原産だし、それでこの世界には芋が無いのか?
「ただし、そう呼ばれるのは央華国に従っている間だけじゃ。逆らった場合は「東夷」「南蛮」「西戒」「北狄」と呼ばれることになる。」
「ちなみに、去年に央華と戦い、央華軍を退けた我々は「東夷」と呼ばれておる。」
「えーと、何で戦争なんか」
「ふむ。原因は30数年前になるのじゃがな。
央華の皇帝がな、人間が増えすぎると食料が足りなくなるとして一家族につき子供は一人と定めたのじゃ。
その時、間が悪かったのじゃが、魔法により、ある程度子供の産み分けの方法が編み出されての、我らと異なり女性蔑視の文化がある央華ではの、10数年後に男の割合が爆発的に多くなったのじゃ。
このため、央華は我々にの、女性を1年間ごとに3千人、性奴隷として差し出せと要求をしてきたのじゃ。」
「それを断ったら戦争になったと」
「うむ。央華としては戦争に勝って性奴隷を国に連れ帰っても、戦争に負けて兵士(男)が多数死んでも、どちらでも国内の安定につながるのでな。
我らが禁呪を使ってなんとか撃退したあとはの、龍脈の乱れを畏れて再び侵略しようとはしておらん。数年後、わしらが餓死したあと侵略するつもりかもしれんがの。
取り敢えず、4国以外の遠征に協力した国に敗因を押しつけてその国に女性を差し出させているようじゃ。
他国の女性であろうが救ってやりたいがの・・・我らにはそこまでの力はないのじゃ」
ちなみに央華は「元」とか蝦夷征伐を行った「大和朝廷」のイメージです。