32 禁呪
「イチロー殿、嫌ならば断れば良い。私がお守りいたす。」
「白銀!ううっ、ありがとう。そうだよ、だいたい、なぜ、禁呪を使ったら王になれないんだ?シルヴァ、ブルネットが禁呪を使ったのって東夷の人々を守るためじゃないか、おかしいだろ!」
重い沈黙が周りを覆う
「・・・少し仕事を残していました。申し訳ないのですが先に失礼させていただきます。」
「ブルネット・・・。ふう、まだ気持ちの整理がついておらぬか・・・」
「なんか、ゴメン」
「いや、今までに説明していなかった儂が悪かったのじゃ。
ふむ、どこから話したものかのう・・・
まず、魔法から話をしようかのう。本来、魔法は魔力を使うのじゃが、魔力が足りん時には、「生命力」や「可能性」を魔力に変えて魔法を使うことが出来るのじゃ。
このうち、他人の生命力を死ぬまで魔力に変えるのが生贄じゃ。可能性と言ったのはの、老人よりも可能性を秘めた赤ん坊の方が得られる魔力は高く、能力が高くいろんなことが出来る可能性が高い人も同様に得られる魔力が高いからじゃ。
さて・・・、私達、女には一生のうち排卵される卵子が約400個あるのじゃが・・・
話の流れから気づいたかの?
この、高い可能性を秘めた自分の卵子全てを魔力に変えるのが禁呪なのじゃ。竜神八部である儂やブルネットの子供は能力が高いじゃろうからの・・・それこそ、自分の力を何十倍、何百倍にすることが出来る。
じゃがの・・・、何百もの自分の子供を喰らったようなものじゃ、いくら民のために行ったとはいえ王にはなれん。王には国の象徴という側面もあるからの。」
「えーと、ブルネットは」
「儂は元々魔法を極めたいと思っておったのでな・・・ブルネットは、力を求める理由があったから竜神八部になったが、昔から子供が好きじゃったからの、結婚して自分の子を産み育てたかったはずじゃ。
覚悟は決めていたはずじゃが・・・まだ、気持ちの整理が出来ておらんのじゃろ・・」
「・・・わかった。覚悟を決めたよ。王になる。東夷を守るよ。」




