16 白虎王
-side 白虎 -
白虎王は東夷からの公使を迎えていた。
「チルドと申すか、東夷からはるばるご苦労であった。」
「はい。」
「しかしながら、白虎の公使が東夷管理者の客人を害することなどあり得ぬ。」
「私が嘘を付いているとでも。」
「我が妹スカーレットは一月前に死亡しておる。」
「なんと、王よ」
「将軍、儂はお主の発言を許した覚えはないぞ」
「では、東夷に来たスカーレットは偽物だと」
「その通りだ公使殿。実はスカーレットの影武者が、イルド、カワードを騙して連れだしたと聞いて探しておったところなのだ。
まさか、東夷に偽公使として行っているとは思いも寄らなかったのでな・・・」
「(死亡したことにしてしまうなんて、あまり良い策とは思えないけど)判りました。では、あのスカーレットは好きに処分してよろしいか?」
「もちろんだ。東夷にお任せする。ただ、カワードは返していただく。」
「判りました。」
「東夷の誤解が解けてお互いのために有意義な会であった。下がって良いぞ。」
チルドが下がった後、両脇の将軍と宮廷魔術師長が王に詰め寄る。
「王よ、スカーレット殿が偽物だとの言質を与えてどういうおつもりですか!」
「あまりにも、不用心な発言ですぞ!」
「当たり前の状況ならば、あの様なことは言わぬ。カワードよ・・・チルドと言っていたがあれはテラーだな。」
「仰るとおりでございます。」
「そして、戦うだけで龍脈をズタズタに出来るテラーは自由に白虎内を歩いている・・・。テラーはあれだけではあるまい。カワード、あれ以外に我が国に何体が入り込んでいる?」
「私が知る限りでは、3体にございます。」
「爺、言いたいことはあると思うが、テラーと戦うのはどんなことをしても防がねばならん。たとえ、スカーレットを切り捨てでもだ。」
「・・・」
「乾闥婆のことだ・・・3体ではなく、倍の6体は入り込んでいると思わねばならん。
1体が壊れたら暴れ出すのか、2体壊れたら暴れ出すのかは判らんが・・・
将軍、手の者を使ってテラーを探し出せ。ただし、絶対に手を出してはならんぞ。
魔術師長、テラーを封じ込む方法を早急に確立するのだ。」




