戦皇学高の昼
使者の3人目が登場!
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暇な午前中の授業が終了し、ほとんどの生徒が昼食を開始している
そんな中、裕弥はいつもと同じようにコンビニで買っておいたサンドイッチを口に運ぶ
目の前には雪が弁当を広げていた
「……………………」
しかし…今日は雪以外にもう一人……
赤城雛
裕弥が最も苦手とする使者の一人
日本人らしい黒髪に強気な瞳…雪と違って大人ぽい。
……胸の方も…
いや、何でもない
「雛ちゃんとお昼食べるの久しぶりだね」
「そうね…」
「購買のパン買って食べてるんだね」
「いつものことよ…」
まるで会話が成立していない…
「で…雛さんは何が目的ですか?」
俺は購買の看板メニューの唐揚げパンを無表情で食べる赤城に聞く
「人をテロリストみたく言うのやめてくれる」
いや、それ以上だと俺は思う
「あんた達も研究所の事故は知ってるわよね」
「私知ってるよ雛ちゃん」
「ああ…でも魔術とは無関係だと思うが?」
魔術関係の事件の場合は報道規制がかけられる
「何か違和感を感じるのよね…」
「違和感…そうか?」
「私の父親は事故が起きた研究チームの主任なんだけど…」
「うっそ~あの眼鏡の」
「…………!?」
もちろん、雛も裕弥たち同様に英雄のクローンだ
親と言っても血縁関係はない、しかし、驚いたのはそこではない
「科学者の近くにいるのか…」
「ええ…魔術教会が研究機関の関係者の情報を得るために潜入しているの」
「雛ちゃん……」
雪の表情が心配に歪む
魔法戦争の相手である魔術機関の近くにいるのはそれだけの危険があるからだ
「…………」
「それで…その違和感ってのは…?」
「アイツから最近、血の臭いがするの」
「アイツ…?」
「赤城敬…義理の父親よ」
「そ、そんな…雛ちゃん!?危険だよ」
「そうだ…俺らから教会に…」
「ダメよ!…これは私の仕事なの」
強い口調で言われ俺と雪が黙る
教室の視線がいっきに集まる
「と、とにかく最後までやらせて…」
「雛ちゃん………」
「大丈夫なのか…」
雛は俺たちに笑みを見せる
偽りの笑顔を……
そして、より真剣な顔になる
「もし危険人物だったら私がアイツを殺す…」
「………………」
「………………」
何も返す言葉が見つからない…今の雛にはそれだけの覚悟が感じられたらからだ
雛も俺たちの様子に気をつかったのか、もう一度笑顔をつくり
「だから……安心して…ね?」
雪が反論するかと思ったが以外な反応をする
「一人じゃないよ…私たちが…仲間がいるから」
「……………」
「そうだ…俺らも力になるぜ」
雪につられて、くさいセリフを言ってしまったことに多少の恥ずかしさを感じたが…
「ありがとう…」
しかし、雛は少し嬉しそうな顔になり笑う
本当の笑顔で…
その直後、午後の授業を知らせるチャイムがなった。




