快楽殺人者Ⅱ
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夕日で茜色に染まる街に二人の男女が歩いていた。
二人とも制服のようなものを着ているので同じ学校に通う学生だろう。
しかし…何か違和感がある、それは少女がものすごく幼く見えるからだ…
少年はイヤホンで音楽を聴きながら少女の様子を伺う。
「なぁ雪…一体どこに連れてくきだ?」
「………秘密だよ」
少女が少年の視線から逃げるように顔をそらす。
それから5分ほど二人に沈黙が訪れる。
「着いた!ここだよ裕弥」
「こ、これって…………」
少年の目の前に現れたのはカラフルな建物だった
《ゲームセンター》とでかでかと文字が描かれている。
「知らないのゲーセン?」
「何かとストレスの多い学生などがお金と引き換えに気晴らしする施設…」
「も~何よそれ…いいから行こっ!」
「お、おぅ………」
少年と少女は光の世界に吸い寄せられていく…
◆◆◆◆
時は少し戻り
場所は《国立生物研究所》
魔術研究共同体の中でも中枢機関であるこの研究所の地下二階には3人の白衣を着た科学者がいた
一人は恐怖に顔を歪め、一人は腹を抱えて笑い、そして一人は古びた本を手に持っている。
「西沢くん…いつまで、そうしているつもりだ?」
本を手にした眼鏡の男が呆れたように一歩前に進む
「ひぃ、ひぃぃぃ!!」
途端に西沢と呼ばれた研究員が短く悲鳴を上げ、後ろに下がる。
「ホントッ情けない男ね西沢」
うろたえる西沢を嬉しそうに眺めて千春が言う
「ち、ちぃくしょぉぉぉぉ」
西沢が怒りの叫び声を上げ、ポケットから銃を取り出した
「な、何を!」
「………………」
千春と男が動揺する
しかし、銃口が向いていたのは西沢本人の頭だった。
「自殺するつもり?そんなことしてもアタシが…」
「残念だったな…この銃弾は…分かってだろ」
「ま、まさか!」
西沢の言葉の意味に気づき千春がうろたえる
「ふむ……私の武器の応用品か…やるな西沢」
「貴様らを恨みながら死んでやる…外道!」
西沢が銃の引き金を引こうとした
「しかし、残念だったな…西沢」
男が勝ち誇ったように告げ、手にある本を開く
すると西沢の手から銃が離れた…無数の鎖が体中に巻きついてきたからだ
「拘束魔術だと……」
西沢が涙をこぼしながら主任の男を睨んだ
その後、目を閉じ思い浮かべる…
ー家族の顔ー
ー友人の顔ー
ーこれまで尊敬してきた主任の姿ー
そして西沢は来るべき死に備えた




