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強襲一日前 朝

◇◇◇◇


午前8時過ぎ…


裕弥の寮部屋には雪と雛の姿があった。普段なら学校の校舎に向かっている時間だが、昨日の一件で雛がとても登校できる状態になかったので3人で欠席する事にしたのだ。

「じゃ、俺が学校に連絡するわ…」

「やっぱり、私くらいは行った方がいいかな?」

「ふん、気にすんなって、俺らは成績トップだしよ」

少し不安げな表情の雪を眺めながら裕弥が後押しする。彼女は超が付くほど真面目で学校を欠席する事に抵抗があるのだろう。

「はぁ?何それ、別に私に合わせなくていいわ」

先ほどまで静かだった雛が声を上げた。

「いや、ダメだ。それに明日は戦争になる」

「………………」

裕弥の重みのこもった言葉に静寂が空間を支配する。

今まで、魔術教会と魔術研究共同体の武力衝突は基本、使者の誰かが水面下で静かに行うものだ。

しかし、明日の任務は全く別の次元……つまり、戦争

「だから、今は頭を冷やそうぜ…俺もお前らも…」

俺は胸にこみ上げてくる何か熱いものを押さえ込む。そして、学校の番号が表示されている携帯を一瞥し、通信ボタンを押して耳にあてた。

「もしもし、二年の…」

それと、ほぼ同時に校舎の鐘が鳴った。






□□□□


同時刻…

《国立生物研究所地下2階》

漆黒の鎧に身を包んだ男達と研究員が忙しなく行き交っていた。

その多くが怪我を負っている、研究員の中でも赤十字ワッペンを付けた医療スタッフが負傷した隊員をタンカーで地下から運び出す。

「ふむ…少し拘束術式が弱かったようだな」

その光景を冷静な瞳で赤城敬は見つめていた。 

彼の前には紫色の魔法陣が無数に茶色の化け物を縛り付けている。

「ふむ…ちょっと君」

敬は近くで警備の任についているDEFIANCE FORCEの隊員一名に声を掛ける。

「はっ!用件は?」

「現在の状況を報告せよ、それと他の研究室の

研究員に拘束術式の強化を指示してくれ」

赤城の指示を受け、隊員はポケットからタブレットを取り出し、状況の解析を開始した。

「負傷者17名、死者6名で現在の状態での戦闘員は全フロアで120名程度です」

「ふむ…では後の指示を達成してから持ち場に戻ってくれ」

隊員は軽く敬礼をしてから司令室のある方へ駆けていった…


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