赤城雛の記憶
◇◇◇◇
彼女は暗く狭い牢獄のような所に監禁されていた
「どうだい?君は我々の人形兵器になるだ…無駄な行動はしないで下さいね」
一人の男が数人の部下を連れてこちらに話している。彼の目は冷たく凶悪ささえも感じた。
「万雷よ、そんなこと言ったら可哀想じゃ~ん…あと、あの方がお呼びだよ」
「ちっ!私に説教とは…兎!ランク外如きが、お前に言われずとも今から向かいますよ」
「へ~No.3だからって威張るなよ万雷~」
音もなく一人の少年が入ってくる、顔ははっきり見えないが美形でかわいいという印象を受ける少年だ。髪は白銀で年は中学生という感じだった。万雷と言われる前の男が苛立ちながら少年を睨んでいる。No.3…?彼女は彼らの会話の意味が理解できなかった。
「だだの物には…くっ!!」
男が口を開いたところで彼の胸に金属の槍のようなものが突き刺さった。男は口から大量の血を吐き出す。そして、彼は遠くにいる少年を殺意のこもった瞳で見つめ、負傷した胸を治癒魔術で修復し始める。
「こざかしい!錬金術師のガキがぁぁぁ!!!」
「万雷~怒るなよ、じゃないと俺…」
「なっ!!!」
万雷と言われる男が短く悲鳴を上げる。突然、離れた場所にいた少年が目の前に現れたからだ。
少年は動揺する万雷を可愛らしい笑顔で見る、そして万雷の耳元に口を近づけてつぶやく…
「…お前、殺しちゃうじゃん」
少年の言葉を聞いて万雷の顔が恐怖に歪んだのが牢獄にいる幼い雛にも分かった。
その後、万雷は扉に歩き、部屋を後にした。
「ごめんね、騒いじゃって…」
そう言って少年が近づいてくる。雛は自然と恐怖は感じなかった。
そして、彼に興味が湧いた…一体誰なのか…どんな男の子なのかが…
「名前…教えて下さい…」
勝手に口が開き、少年に質問をしてしまった。
少年はそんな雛を兄のようなまなざしで見つめ笑った。
「兎だよ…兎リョウ。
ヨロしくじゃん雛ちゃん」
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しばらくして…瞳が開いた。何か体に違和感を感じる、辺りは真っ赤で自分を抱きかかえている上半身が裸の青髪の少年が見えた。
「あっ…目が覚めた、おはよう。僕の雛」
青髪の少年が自分の名前を言ってくる。
そうだ、彼女は彼を知っていた神崎カズマ…私の彼氏…だったと思う。




