強襲作戦の2日前 昼Ⅲ
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《戦皇テニスコート》では男女ペアによる試合が行われていた。コート内は魔術によって快適な温度に保たれている。この時代らしい技術の一つだ
「雪…!!」
「任せて…えぃ!」
第4コートでは雪と裕弥のペアの試合の真っ最中だ。対戦相手は隣クラスのテニス部のペア…裕弥がボレーし損ねた打球を雪がドライブでコースに返す。
「ちくしょ!間に合わねー」
相手の後衛の男子がドライブで変化する打球にダイブして食らいつこうとするがギリギリの所で間に合わない。
「ちょっと~あんたテニス部でしょうが」
「それは…そうなんだが…」
ダイブに失敗し、コースで倒れる男子にペアの女子がラケットを掲げて怒鳴っている。
「雪ナイスな…助かった」
「うん、ラスト一本!気合い入れなきゃね」
「ああ…まずは勝たねーとな」
裕弥のペアは無失点でテニス部ペアにマッチポイントを取っていた。
魔法だけでなく、身体能力までも英雄の影響を受けているワケで経験こそはないが一般生徒に勝てる相手ではない。
「よし…ラストー!!」
裕弥は声を上げ、サーブを放つ。
そして、レシバーの女子がカットをかけて前に落としてくる。しかし、裕弥はそれを読んでいた…
「何で…そこにいんのよ」
レシバーの女子が裕弥の姿に気付いて顔を歪める
「いただきっ!」
裕弥は地面を蹴り、体を宙に浮いた状態で思いっきりボールを打ち、相手コートの横ラインの上に力強く入った。
直後、笛がなり試合が終了する。
「よっしゃ!まず一勝」
裕弥は拳を天に高く突き上げ吠えた、後ろでも雪がガッツポーズをしていた。
「やったね裕弥…」
そして、小さくつぶやく…本当に嬉しそうな裕弥に対して、そして自分に対して…
◇◇◇◇
同時刻…
《戦皇・第一体育館》
「よっし、まずは一勝だね雛さん」
タオルを頭にかけたカズマがスポーツ飲料を飲みながらペアの雛に話しかける。
「カズマくんのスマッシュ、スゴかった…」
「ありがとう、次も決めるから見てて」
「期待してるわ」
カズマの隣では同じくスポーツ飲料を口に運ぶ雛の姿があった。
一回戦を相手に大差をつけ勝利し、周りからも拍手が贈られる。
英雄のクローンであ雛とクラスでも運動神経、容姿の抜群な神崎カズマのペアを撃破できるのは簡単にはいないだろう。
「あっ!?雛さんゴミが…」
「えっウソ…」
カズマが雛のお尻近くを触る、雛は少し表情を固くしたが、親切心なので嫌がる素振りはしないことにした。
「あ、ありがとう…」
「どう致しまして…雛さんは僕の大事なペアだから当然だけど」
そう言うとカズマは陽気に微笑んだ、その直後、体育館に笛が鳴り響く。
担当の先生が休憩を知らせるために笛を鳴らしたのだ。
「えーそれでは10分間の休憩を行います。勝ち残っている生徒は対戦表を確認して休憩に入って下さい…以上」
そう言い終わると担当教師は廊下へと消えていった。
雛はテニスコートの様子を見に体育館を後にした。




