第1話 記念日
よく読むとかなり悲惨な部分があります。かなり残酷な表現を一部していますし、そのような表現に拒否反応のある方、嫌いな方は避けた方がいいと思います。
連続投稿です。
最終話まで一気に投稿します。
いくつかの話が字数制限に引っかかり、その対策のために、最後の方に********があります。
お見苦しい点はありますが、すみません。苦肉の策です。
雨は嫌いだ。うっとうしい。気が滅入る。
だが戦となると少し違う、明日のように奇襲をするならなおのことだ。
「戦の後は必ず剣を研ぐのね」
今日は登場が早いな
「自分の命がかかってる」
「案外マメだよね」
雨音がかすかに聞こえる。
「いつも大事にしてくれてありがとうね」
「ハンナ」
今日のハンナは妙にしおらしい。俺の死期でも近いのか?いったいどうしたんだろう?
考えてみれば、手入れをしたぐらいでお礼を言われる筋合いはない。
「あなたに拾われて、今日で1年になるのね」
なんだ、そうだったのか?
「おまえを拾ってそんなになるのか?やけにしおらしいと思った」
「これからもよろしくおねがいね」
「こっちこそ」
何度命を助けられたか解らない。
今俺が顔を上げたら、ハンナは笑顔なんだろうか?
「あれ?私をいつ拾ったか覚えてなかったの?」
え?
「案外薄情よね」
いやいや
「そうなんだ~これはちょっと」
まてまてまて
「戦場でいつ剣を拾ったかなんて、覚えてるわけ無いだろう?」
あ
笑ってやがる。