第98話:冥府経済、ゴーストマーケット!
バレルの「死後活」政策により、人々の死後の在り方が多様化しはじめていた。
冷たい紅茶を淹れるゴースト、省庁で働くアンデッド、そしてSNSで墓場のデザインを自慢する幽霊たち……。
最初は冗談混じりで導入された制度だったが、予想外の事態が起こる。
「……彼ら、給料使ってませんよね?」
「そもそも……お金必要なんですか?」
混乱の中、バレルは自らゴーストコミュニティに突撃取材を敢行する。
結果——
「趣味です。」
「生きてた頃のクセでして。」
「何となく働かないと成仏できない気がして……。」
といった“死んでも元気”な証言が続出。
死後の職場復帰という世にも奇妙な風潮が拡がっていた。
そして極めつけはこれ。
「我ら、冥府ポイントで経済圏を築いております。」
そう言って自作のポイントカードを出すゴースト幹部。バレルは無言で紅茶を啜った。
最終的に出た結論は一つ。
「彼らは楽しいから働いている。」
「じゃあそれでいいか……。」
こうして、冥府労働者たちは特例として“給料は出るけど使わない”という不思議な経済構造のもと、社会の裏方として活躍し続けるのであった。
——冥府の経済は冥府に委ねよ、という新たな政治格言と共に。




